次の日は5時半頃に目を覚ました。
ホーチミンへ帰るためのバスは8時出発。バスターミナルへいくためのバスは7時にホテルの前へ来る予定。トランとも7時にホテルの前で待ち合わせ予定だ。まだ時間がある。ダラットをもう少し探索すべく、荷物をまとめ早めに外に出た。
ホテルより少し歩いたところで売店を発見した。店主らしき人に、どこかコーヒーが飲める店はないか尋ねた。が英語が伝わらず諦めホテルへ引き返すことにした。
灯台下暗しとはこのこと。引き返す途中、ホテルの隣で小さな椅子に座って何やら小さな茶色い液体が入ってるカップを手にしている男性たちに気づいた。
恐る恐る隣の席に座る。ベトナム語で何やら話しかけられた。英語でコーヒーがほしい旨を答えると、彼らはニコりと笑い指を彼らが持っている小さいカップに向け「ほしいのはこれか?」と目で確認しれくれた。首を立てに振った。
アナログコーヒメーカーとでも言おうか。これで作ったコーヒーの味は濃厚でありながら、苦過ぎもせず、甘過ぎもせず格別だった。
近くにいた男性客がベトナム語で何やらしきりに質問してきた。英語が通じず、コミュニケーションが取りたくても相手が尋ねてきた質問を予測することさえできない。後ほどやってきたトランに通訳してもらった。
男性は、どこから来たのか、どれぐらいここにいるのか、いつまでここにいる予定なのか、ダラットについてどう思うか、などを聞いていたそうだ。
男性は年齢も聞いてきた。正直に年齢(20代後半)を答えると、「結婚はしていないのか?」「結婚すべきだ!」「此処では25歳ぐらいで結婚していて小さな子供もいるのが普通だ」と言ってきた。確かにダラットの子連れの親は若い。
市民みんなが悩みなんて全くなさそうな、幸せそうな顔をしている。結婚して離婚したらその後どうなるかとか考える必要はないのか。
犬でさえこの有り様だ。
なんてまったりしているんだろう。
そうこうしているうちに、バスターミナル行きのバスが到着。バスの中でトランに若年結婚が多い理由について聞いてみた。
ベトナム人は元々陽気な国民なので離婚率も他の国と比べて少ない。子供はできたらできたで子供のためにがんばるし、貧しくて育てることができなくても施設に預けることができる、とのこと。つまり、深く考えていないということだろう。
本日は自分だけがホーチミン行きのバスに乗ることになる。トランともここでお別れだ。トランに感謝の意を伝えホーチミン行きのバスに乗った。行きは絶賛していたこの長距離バス。同じ種類のバスだけど、帰りのバスは少しオンボロだ。
この少し古びたバスで、ベトナム語しかできない人々と、長いバスの旅をすることを想像すると、少し気が滅入ってしまった。