どうも、ご無沙汰しております。近ごろ平日ベジタリアンの生活に嫌気が指してきて、チキンから肉食を始めている仏教徒のXin(しん)です。
小国といえど、シンガポール人の人種、文化、宗教、信条は多岐に渡る。最近知り合った中華系シンガポール人に変わったタイプの仏教徒がいました。
食事に誘って店を選んで確認を取るなり「その店は牛肉を使った料理ばかりだから無理ぽ!宗教の関係で牛肉食べれらないし、実は食べたことはあるけどお腹を壊す」みたいな返事が返っきて「あれ君はヒンドゥー教徒やったっけ?」という展開に。
結果として牛肉を食べられない仏教の宗派があるという事が分かったのでレポります。
ついでにシンガポールのメインの宗教(イスラム教、ヒンドゥー教、仏教)の「これ禁止」「これOK」的な事の現状もまとめていこうと思います。基本何でもOKなキリスト教徒は省きます。
イスラム教徒事情
豚肉は禁止
有名な話ですが俗にムスリムと呼ばれるイスラム教徒の人々は豚肉を食べる事を禁止されています。
日本在住のイスラム教徒は「ここは日本だから」という理由で、平気でとんこつラーメンを食べるような方もいるそうですが、それでも自分の経験上、イスラム教徒=豚禁は必ず守るというイメージが強いです。何故そこまで頑なに豚を禁止するのか。しこたま解説されている記事があったので貼っときます。
要するにイスラム教では豚は怠惰で不潔で不浄な生き物と認識している。だから食べてはいけないという事だと思います。
アルコールも基本禁止
アルコールは人の自制心を狂わせるから、基本的に禁止されているようですが、飲んでもOKな宗派もあるそうです。実際に自分の周りにもアルコールは飲むムスリムがいます。
キリスト教も宗派によってはお酒が禁止されているらしいし、その辺はキリスト教徒と同じかもしれません。いずれにせよ、アルコールは豚禁ほど厳しくないのが現状。
タバコはOK
シンガポールでは意外にムスリムでもタバコを吸っている人は見かけます。食後に一服する男性はもちろん、ジョホール・バルなんかに行くとヒジャブをまとってタバコを吹かしている女性なんかも見かけます(←ギャップでたまに萌えるのだ)。
イスラム教では喫煙は禁止されていない。というかタバコ自体がイスラム教ができてから発明されたものなので、禁止のしようがなかったという言い方の方が正しいかもしれないです。
ヒンドゥー教徒事情
牛肉は禁止?
イスラム教徒の豚禁と同様にヒンドゥー教徒は牛肉を食べることは原則禁止されています。しかし、その理由はイスラム教徒が豚肉を食べない理由とは真逆で豚が神聖のものだから。牛は偉大なヒンドゥー教のシヴァ神のお遣いです。
とはいえインド国外では牛肉を食べる人はいるようだし、国内でも一部の人は食べる。イスラム教ほど厳格に守られていないのが現状だと思います。
キリスト教のインド人も少なくはないですし、そういう人たちはもちろん牛肉を食べます。こんなお店もあるくらいだしね。↓
インド人のカレー屋に『禁断のビーフカレー』というメニューがあり、その下に「神様ごめんなさい。でもおいしい」とか書いてあってむせた。
— しゅえ (@Xue_lan) June 6, 2013
牛は神聖なもので牛肉は食べたらだめだけど、絶対にそのルールを破るインド人は少なからずいるだろう。そして禁断のビーフが美味しかった→病み付きになる。そんな感じでどつぼにはまってるヒンディーもいそう。それにイスラム教とは違ってヒンドゥー教の神様は・・・何か許してくれそうだし(勝手なイメージでスミマセン)。
アルコールも基本禁止?
建前上は飲まないことになってるけど飲む人は飲む。しかしシンガポールで住んでいる経験上、レストランやバーでお酒を飲んでおるインド人は意外に少ない。インド人同僚に聞いたところ、お酒を飲むと酔ってしまって家族や周りの人に迷惑を掛けるかもしれないから、という意外過ぎる回答が返ってきた事がある。まじ?
一般的に日本人は攻めを控えるよう教育を受け、インド人は受けを強化するよう教育を受ける。具体的には・・・
- 日本人 :他人に迷惑をかけてはいけないという教育
- インド人:他人にに迷惑をかけられても我慢しろとうい教育
人に迷惑をかけずに生きていけるなんていない。だから迷惑をかけられても我慢する事に慣れろ!というインドの教育は、すんごい合理的だし日本人としては見習うべきだと個人的に思う。しかし飲酒が関係してくると両者のスタンスが間逆になる。
- 日本人 :酒を飲んで公共スペースで倒れて迷惑をかける人が多い
- インド人:酒を飲んでも外では飲まないし家族にも迷惑かけたくないから控える
インドで公共の場で酒をガンガン飲むインド人は、どことなくヤクザ、ヤンキー気質なイメージがあるらしい。シンガポールでも場末の酒場で酒をがぶ飲みしてる連中は少し悪い奴なイメージがある。
タバコはOK
シンガポールのリトルインディアでもタバコを吸ってるインド人を見かける。インドもタバコにまみれているイメージがある。イスラム教と同様にタバコが発明されたのがヒンドゥー教が始まった後なので、特に宗教上の規則はいみたい。
肉もお酒も身体に良いものではないけど、それよりはるかに中毒性があり身体にも悪いタバコが禁止されていないなんて、しっくり来ないけど発明されてなかったのなら仕方あるまい。
仏教徒事情
牛肉は禁止?
言わずもがな我々日本人の大半も仏教徒。移民の国であるシンガポールにある仏教の宗派は数え切れないあるけど、一般的な中華系シンガポール人の大半は日本人と同じく無宗教寄りの仏教徒が多い。
したがって基本的に肉は全種類食べる。豚肉、牛肉、鶏肉はもちろん、羊肉やカエルまで好んで食べる人までいるんだから・・・と今まで思っていたけど敬虔な仏教徒は牛肉を食べないらしい。特に観音様を祀る宗派の敬虔な仏教徒は食べないらしい。
仏陀の教えで牛肉を禁じてる訳ではないけど、仏教徒の中華系が牛肉を食べなくという有名な見解は2つあるらしい。
- 牛は観音様のお父様の生まれ変わりだから
- 牛は昔は農耕で人を助けてきたので感謝の印として牛を食すのを控える
Why do some Buddhist not eat beef? – Quora
話の信憑性のほどは分からないけど、こんな「ほんまかいな?」とツッコミたく観音様のお父様のエピソードもある。
観音様のお父さんは観音様が仏道に入るのを反対された。
結果お父さんは地獄で裁きにあわれた。その時、観音様はお父さんを助けに来られたのだそうだ。そのことに感動したお父さんは、牛に生まれ変わり今までの罪を償うと切願されたそうだ。
観音信仰と牛 : マレーシアイポーたいけんのblog
ちなみに、牛肉を食べられない仏教徒の友達に聞いたところ、両親も仏教徒で牛肉は食べないけど、お兄さん2人はキリスト教徒なので牛肉を食べるらしい。なんか面白そうな家族だ。
アルコール&タバコは?
仏教徒であれば特にアルコールも酒も問題なし。しかしシンガポールでは、お酒に対して制限のない仏教徒やキリスト教徒でも、酒を飲む人が少ない。
西洋文化の影響を受けているため中国、韓国、日本のように我武者羅に飲む人むような人はいないのか。お酒の価格がべらぼうに高いから控えているだけなのか。理由は分からないけど、とくかくお酒を飲む人が少ない。
そんな訳でシンガポールでは飲酒運転も件数が少なく取り締まっているイメージがない。実際のところは知らんけど、友達が「ちょっとぐらいなら大丈夫!シンガポールでは少しは大丈夫なんだよ!」と運転前にビールを飲んでいたので、それほど厳しくはないのだろう。
喫煙者も異常にすくない。1年半以上前まで自分は喫煙者だったけど、一緒にタバコミュニケーションしてくれるローカルの友達が皆無だった。タバコを吸っていると冷たくあしらわれている感じさえした。街中に灰皿がいたるところにあるから、1箱1,000円のタバコ代が痛くも痒くもない人にとっては喫煙天国なシンガポールだけど、非日本人のタバコ仲間はなかなか見つからないのが現状だ。
シンガポール人は理想的な結婚相手かも!
酒も飲まないし、タバコもしないし、基本的に真面目だし、お金も持ってる。ついでに変態も少ない。よくよく考えたらシンガポール人の特徴は日本人女性が結婚相手として求める条件を兼ね揃えてるのではいかと思う(そのかわり中華系やと家族付き合いは大変やけど!)。
仕事を辞めて、シンガポール男性と日本人女性を繋ぐ婚活エージェントにでもなってやろうか。しかし婚活エージェント自体あまり好ましいビジネスとは思えないし、婚活してる女性のアレンジするのも大変そう。なにより独身男の自分がそんなビジネスをしたところで超絶説得力がない。ずいぶんと内容が本線(宗教)から脱線してきたので、今回はここらでお開きとします。