どうも、底辺無職のXin(しん)です。
人生100年時代と呼ばれる昨今。
三桁歳まで健康に生き、ポックリ逝けるのが理想ですが、年を取るにつれ体の足腰が悪くなり、認知も衰えてくるのが人間というもの。
日本は、香港と平均寿命トップを争う長寿大国です。
しかし、それ故に認知が衰えた後の資産管理という問題にも直面する家庭が多くなってきました。
そんな問題を解決すべく、当局により 2000年から制定された、成年後見人という制度を紹介します。
10年以上前から成年後見人を利用している我が家。
なぜ頑張って成年後見人制度を紹介するのかと言うと、制度を紹介&理解してもらい、愚痴りたいからです。
成年後見人とは
成年後見人とは、認知症などで判断能力が低下した人の財産管理をする代行する制度。
たとえば認知症で判断能力が低下している人は、振り込め詐欺・リフォーム詐欺などで被害に遭いやすくなります。
ただでさえ、ポンジスキーム詐欺・ワンルーム投資詐欺等の被害が後を絶たない。
国保加入済みなのに、ほけんの窓口などに相談し、喜んで貯蓄保険を購入。10数年単位で長期資金ロックしてくる人も後を絶たない。
そんな金融リテラシーに疎い国民が、認知症になったら財産を守れる可能性は皆無。
成年後見人は、そんな日本人が認知症になっても、本人の財産は守られるよう作られた制度です。
「成年後見制度」には「法定後見」と「任意後見」があり、次のような違いがあります。
制度 | 任命権 | 種類 | 権限など |
法定後見 | 家庭裁判所 | 後見 | 全てをサポート(代理権&取消権) |
保佐 | 一部をサポート(同意権&取消権) | ||
補助 | プチサポート(一部の同意権&取消権) | ||
任意後見 | 本人 | 本人の判断力が衰える前に行う契約 |
我が家の場合、もともと金融リテラシーがガチムチで、家の資産管理を主に行っていたのは母親でした。
しかし、そんな母親が交通事故に遭い一気に認知症になってしまった為、利用せざるを得なかった制度は、法定後見(後見)です。
当時は親族(兄弟)が法定後見になる申し立てをしましたが、母親の資産規模&保有資産の複雑さ&諸所の事情から、家庭裁判所により弁護士の後見人が選任されました。
法定後見人の報酬は、本人の資産規模次第(目安は月2~6万円)で、家庭裁判所により決定され、年一回(或いは半年一回)、本人の口座から支払われます。
この支払いは、基本的に本人が亡くなるまで続きます。
我が家がお世話になっている後見人(弁護士)は、親族の意向もある程度汲み取ってくれる方なので良かったですが、なかには本人の資産を横領するかのようなクソ後見人専門家(弁護士・司法書士・社会福祉士)も居るようです。
成年後見制度の利用は必要か
我が家の場合、認知症の母親に加え、父親も脳梗塞で倒れてしまった為、両親宅に戻る自分が、法廷後見人になるべきか、親族(兄弟)と話し合いました。
しかし現行では、申し立てをして親族の法定後見が拒否されると、母親の時と同じように専門家が選任され、本人が亡くなるまで固定費用を支払わされるルールです。
そのため法定後見の申し立ては避け、親族の法定後見が拒否された後も後見人制度の申し立てキャンセルできるようになるまで、こんな風にネットで法定後見制度利用のネガキャンをする事にしました。
親族に本人資産を横領するような低モラル人間がいないなら、後見制度の利用は不要です。
なぜなら本人に判断力がなくても、親族がキャッシュカード等の暗証番号さえ知っていれば、本人の資産管理は可能だからです。
ネットでは「銀行に親の認知症を伝えると、本人の口座が凍結された」などの噂を目にしますが、自分の場合、どの銀行に父親の状態を伝えても、そんな事はあり得ませんでした。
- 父の病院代の支払いは日本国内にいた兄弟がしてくれていた為、本帰国後は父口座から兄弟の口座へ送金する必要あり
- 自身も自宅のメンテナンスに関わる費用を数十万円立て替えていた為、父の口座から自分の口座に送金する必要もあり
口座凍結覚悟(防衛策も準備した上)で、りそな銀行・みなと銀行にて正直に話した時の、両銀行の対応は以下の通りでした。
金融機関 | 対応 |
りそな銀行 | 本人のキャッシュカードを所持しており暗証番号を知っているのであれば、銀行側はATM出金・振込に関しては、制限できない。 |
みなと銀行 | 本人のキャッシュカードを所持しており暗証番号を知っているのであれば、銀行側はATM出金に関しては制限できない。
本人年齢が70歳以上になると、ATM振込は自動的に制限が掛かる。都度振込の理由を証明書類と共に窓口で説明してくれれば、時間制限を設け、振込制限を解除する。 |
みなと銀行では、振込より出金の制限が緩いことが驚きでした。
出金は資金の流れが追いにくい一方で、振込は資金の流れが明確だからです。
自分は、父の資産を動かす時は、たとえ手数料が掛かろうとも、できるだけ振込で対応しています。
どうしても出金せざるを得ない時は、必ず何のための出費なのか、通帳に鉛筆でメモ書きしています。
成年後見制度が必要になる前に
この記事を読んでいる方は、親がピンピンしている勤労者世代という前提で話をします。
現在、自分が最も「面倒だな」と思っていることは、振込や記帳のため、わざわざ銀行ATMまで行かないといけないこと。
父は、スマホどころかネットも使えなかったため、ネットバンキング設定など皆無。
本人の意識がしっかりしていた時、全てネットバンキング設定していれば今どれほど楽だったろうか、と悔やんでも悔やみきれません。
ただ、自分は逆カルチャーショックによる紙鬱ではあるものの、意外に本人の資産把握に役に立ったと感じているのは通帳の存在です。
とにかく通帳を全て記帳すれば、おおよその資金の流れは把握できますからね。
そのため親後様がピンピンしているが将来に備えたい方は、次のように対策しておく事をオススメします。
- 全銀行の通帳レス化は避ける(通帳大事)
- 全銀行のネットバンキング設定をしておく
- 全銀行のアカウントをマネーフォワードMEにリンクしておく
- 両親との共同口座(家族口座)を作っておく
- 本人が望むなら任意後見人制度の利用も検討に入れておく
もちろん本人に抵抗がないなら、親名義で資産運用しておくのも良いです。
ハイリスク商品は避け、NISA口座で全世界株や債券に投資しておくのが良いのではないかなと思います。
「リスク資産内の債券の割合は年齢と同じ割合が理想」と言われています。たとえば「60歳なら6割が債券」「70歳なら7割が債券」といった感じです。
いつ急な医療費や介護費用の支払いが必要になるのか分からないのに、長期定期預金や貯蓄保険を買うのだけは避けましょう。
いかなる時においても、資金流動性は命です。