SINLOG

シンガポール在住の底辺現地採用のブログ。 雑感、旅行記、投資、日々の生活など気ままに書き綴ります。

日本非居住者が日本の銀行(新生銀行)からシンガポールの銀行(DBS)へ数百万円を海外送金したので手順や考え方を紹介する。

どうも、一週間ほど一時帰国してましたXin(しん)です。

日本の新生銀行に数百万円を定期で置いてたんですが、4~5年たっても2万足らずしか入らないので解約、日本円のままシンガポールのDBS銀行へ送金しました。

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昔は預金の運用についてはさほど考えたことはなかったですが、シンガポールREITを買い始めてからというもの、周りに金融リテラシー高い人たちが増えはじめて、含み損と引き換えに、金融商品に関する知識なんかも少しづつ増えてきました。

そして改めて「日本の預金について何とアホな運用をしているのか?」「2019年からマイナンバーと銀行口座の紐づけが開始するから海外送金できなくなる」という焦りから帰国&行動してきた次第です。

海外在住者に最も優しいイメージのある新生銀行ですら、こういった行動を取らざるを得ないみたいですし。

そんなわけで今回は、自分が経験した日本からの海外送金の手順や考え方なんかを紹介していこうと思います。

マイナンバーを作りたくない

日本円を移動させるにあたり、シンガポール在住日本人投資家、シンガポール人銀行員、元シンガポール駐在員の日本メガバンク銀行員、など色んな友人に助言を乞いたりして迷惑をかけました。

というのは自分の目的は少し我儘で「マイナンバーを作らずに数百万を日本円のままシンガポールに移動させる」ということだったから。

何故マイナンバーを作りたくないのか。自分は日本で納税はしてないけど、シンガポールでは納税はきちんとしてるので、別に何も後ろめたいことはない。

だけど、気持ち悪いのはこのCRS(共通報告基準)というもの。

CRSは、外国の金融機関に保有する口座を利用した国際的な租税回避を防止するために、経済協力開発機構(OECD)が策定した、金融口座情報を自動交換する制度です。

http://www.smbc.co.jp/houkaisei

こいつのせいで将来的には海外金融口座にもマイナンバー情報がひも付いてくるらしい。マイナンバーは表向きは、脱税対策だとか、業務の効率化だとか、色々言われている。

だけど真の目的は、自分のような日本非居住者に一時帰国した際に住民票をもとに戻しマイナンバーを作らせる。そして、今まで明るみに出なかった日本非居住者の海外資産を「CRS×マイナンバーの組み合わせ技」であぶり出すことで、いざという時の預金封鎖→資産課税に備えることじゃないのか。そう思えてならないのだ。

自分の金融資産なんて知れてるし、資産課税対象の端にも棒にも引っかからない可能性もある。だけど海外在住の日本人はめちゃくちゃ金持っている人も多い。税金徴収中毒の日本政府としては日本非居住者の海外資産は、いつか資産課税するに絶対に得ておきたい情報だろう。

そのため、どうせ把握されるかもしれないけど可能ならマイナンバーを作らずに預金を移動させたい、というのが自分の希望だったのだ。

マイナンバーを作らず海外送金する方法(2018年版)

2019年には日本の銀行から送金するのに必ずマイナンバーが必要になる。2018年末までは猶予期間。現時点でマイナンバーなしで海外送金できないのは以下の3銀。

  • みずほ銀行
  • ソニー銀行
  • セブン銀行

逆に言えば以上の銀行以外からならマイナンバーなしで海外送金できる可能性があるということ。自分が利用している新生銀行も、登録完了日が2015年12月31日以前の人は2019年から海外送金にマイナンバーが必要(=2018年迄は聞かれない)とある。

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http://www.shinseibank.com/goremit/apply/mynumber.html

自分も口座開設日は2015年12月31日以前なのでマイナンバーなしで海外送金できるとうことになる。仮に新生銀行がだめだったとしても他行で試せる。

三菱UFJ銀行で働く友人も「うちも2018年末までマイナンバーなしで可能」と言ってたし、意外に猶予期間対象の銀行は多そうだ。

もし、どれもダメなら手持ちで日本円をシンガポールに持っていき、シンガポールの円預金に入れるのみ。しかし100万円相当以上の海外への持ち出しは税関で申告する必要がある。申告したら変な尋問をされるんだろうか。こっそり手持ちで持ってきたというケースも聞くがどうすれば良いのか。

まとめると今回シンガポールに資金を移動する方法としては以下から選べそうだ。

  1. 新生銀行から海外送金
  2. 他の銀行から海外送金
  3. 申告して現金持ち出し
  4. 申告せず現金持ち出し

「1がダメなら2、2がダメなら3、3がダメなら4」というノリで試そうと思った。事前に色々な人から頂いたアドバイスによれば、3か4をした場合、現金が取られるリスクはあるし金額によってはドキドキするが、両方とも経験者がいるようだった。

  • 申告して現金持ち出し:1000万円以上持ち出した。日本の空港で「持ち出します」と薄い紙っぺらを書いて終わり。シンガポールでも「持ち込みます」という薄い紙っぺらを書いて終わり(シンガポールでも2万Sドル以上の持ち込みは申告が必要)。
  • 申告せず現金持ち出し:ばれるポイントが日本での荷物チェック時くらい。仮にばれたとしても「海外に時計を買いに行くだけなんですけど何か?」と言えばよいだけ。

しかし、自分の場合は拍子抜けするほど簡単に「1.新生銀行から海外送金」で目的が達成してしまった。シンガポールドルにすることなく日本円で送れた。ついでにシンガポールのDBS口座内の日本円を、日本のコンビニで手数料のみだけで引き出すことも確認してから送金した。

前置きが超長くなってしまったけど資金移動に関し、シンガポールでの準備から何をしてきたのか、具体的な方法を紹介します。

DBSマルチパイラー口座を作る

数年前シンガポール在住サラリーマン&OLにとってはOCBCの360口座が最もよいと宣伝したことがある。

しかし、これも過去の話。もうOCBCは魅力的ではない。各銀行ともOCBC360口座のコピーキャットを沢山つくっているのだ。

DBS Multiplierは給料口座してクレジットカードを作って使ったら、それだけで2%前後つく。なんとUOB one accountに至っては給料口座にしなくてもクレジットカードを作って使えば、それだけで2.5%ほどつくらしい(クレジットカード審査が超厳しいらしいが)。

両銀行ともオンラインのみで口座開設が可能なのだけどUOBは普通の外国人は支店に赴く必要がある。しかしDBSは外国人でもオンラインのみで口座開設ができる。

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https://www.dbs.com.sg/personal/landing/dbs-multiplier/

実際に作ってみたら分かるが、ご丁寧に「給料口座をDBS銀行にしてくれい」という人事(HR)宛ての定型文までシステムに用意されてます。

DBS Multiplier口座を作ったあと、日本円を保管するためのDBS Multi-Currency口座を作ろうと思ってDBSの支店に向かった。

すいません。

はい、要件はなんでしょうか?

マルチカレンシー口座を作りたいんですが。

DBSの他の口座は持ってますか?マルチカレンシー口座作る目的は何でしょうか?

マルチパイラー口座は持ってます。日本円のまま預金するためにマルチカレンシーが欲しいんです。

お客様、日本円のまま預金したいだけならマルチカレンシー口座は必要ありませんよ。なぜならマルチパイラーアカウントには日本円や他通貨を預金する機能が既に備わってるので。

ま‥‥(・д・)まじすか?どうやってするのそれ?

日本円預金口座を作りたいのならマルチパイラー口座内でSGD→JPYに変えて下さい。明日には口座内のJPY項目ができてるはずです。

す‥‥すごくないそれ(・д・)?ありがとやってみます。

DBSのマルチパイラー口座(JPY)を作る

早速言われた通りやってみることにした。同じ口座間で通貨のトランスファー。

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上は諸事情あり日本でさらにSGD100.00を日本円に変えた時のスクリーン。初期に変換した時はスクリーン取り忘れました。

なので混乱するだけだから、金額は見ないで欲しいけど、こんなノリでマルチパイラー内で日本円にすると、以下のように日本円の項目(受入先)ができる。

合計SGD749.97の内訳が‥‥

SGD627.44

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JPY10.000

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同じ口座番号内で2種類の通貨が共存しているので不思議な感覚がある。だけどこれで、DBS側の受け入れ体制は万全だ。

DBS銀行の日本円を日本で引き出せるか?

(自分にとっての)大金の日本円が移せても、将来シンガポール政府からお役御免されて、日本に帰らざるを得なくなり、日本円が引き出せなくなったら困る。

そのため帰国前にテストでDBSマルチパイラー内で1万円分だけを変換、日本での出金を試みた。

日本のローソンでDBSカードを使って引き出そうとすると、恐らく手数料分の日本円が足りんのでエラーが出て失敗した(←諸事情ww)。

仕方なく追加でSGD100.00分を日本円にして、無事に1万円の出金が成功。

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すごくね、手数料108円で引き出せたの?‥‥と喜びもつかの間、DBS側で350円取られていた。

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結果的に1万円出すのに458円も手数料が掛かったことになるけど、マルチパイラー内でJPYにした分から綺麗に引かれたから良しとしよう。

ところで、マルチパイラー内ではJPYやUSDはもちろん、それ以外にも色んな種類の通貨に変更できる。

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なので例えば、オーストラリア/ヨーロッパ/香港に行く前は、事前に納得できる為替のときに一部AUD/EUR/HKDに変更して現地ATMで引き出し、なんていう使い方もできそう。

これは良い。何か優秀すぎないか、DBSマルチパイラー口座。

海外送金の基本的な理解

今回は一時帰国前に経験豊富なシンガポール人銀行員の友人に海外送金のいろはを教えて貰っていた。

たとえば海外送金と聞くと送金先の国の通貨に変換しないといけないイメージがあるが、実はそんな事は全くない。

これは自分の理解なのだけど、基本的に世界中にあるどの銀行が、どんな通貨で、どこの国の、どこの銀行にリクエストを出しても問題ない。

たとえば貴方がカナダの銀行に口座を持ってるとしよう。そして日本の銀行にSGDを持ってて、そのシンガポールドルを、SGDのままカナダの銀行に送金リクエストする、なんて事も可能なのだ。

そして実際にそんな事をするとどうなるのか。上記を実行するとカナダの銀行から貴方宛に電話が掛かってきて‥‥

なんか日本の銀行からSGD送られて来てますが、どうしますか。現地通貨にして預金しますか、SGDの口座作っときますか?

という質問を受け決断が迫られる。

状況や事情によっては受け付けられない等あるだろうが、その際は手数料が往復分引かれて日本の銀行に戻ってくるだけ。

なので、仮に貴方が海外送金しようとして、銀行員に現地通貨に変えることを強制されたら、きっとそれは銀行側が為替の利ざやで稼ごうとしてるだけ。拒否して希望通貨で送金してもらう意思をしっかり示そう。

新生銀行が神対応でした

自分が向かったのは関西にある新生銀行のとある支店。

銀行に入るなり丁寧に要件を聞かれ「海外送金」と答えると、すっと案内してくれました。「海外〜」と言うと日本なら人間扱いされない所が多いですが、嫌な顔されませんでした。

数分待ったあと呼ばれて、担当者に海外送金の額と送金希望の通貨を聞かれます(←好印象)。

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新生銀行では海外送金は片道4000円。一律4000円なので、送金額が1000万だろうが1億だろうが4000円以上はかからないと思います。

必要な持ち物は以下です。

①新生銀行キャッシュカード

②印鑑(サインで登録した人は腕)

③海外送金依頼書→新生銀行で貰えます

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④送金先の銀行の口座番号等→DBSの場合は以下の添付参照

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⑤資金の出どころ確認→自分の場合は口頭確認で済みました

⑥自分への送金なので自己資金移動で問題ない

あとは本当に記載のDBS銀行が送金者のものか確認する必要があるとのこと。

書類として残す必要があるのかと思いきや、DBSのスマホアプリにログインして「ほらこのDBS口座は僕のでしょ?」と見せるだけでOKでした。

最も気になるマイナンバーについては‥‥

「登録日が2015年12月31日以前の方は今のところ必要ないですが、後々は必要になってくるので取得し次第ご報告下さい」

という程度の釘刺しだけでした。

そのあとはその場で、取り敢えずは問題なさそうなので明日に送金させて頂きます、という返事を伝えられました。想像以上に簡単でびっくり。

同じフロアでは金持ちオーラ放ってるオジサンが数千万の海外送金の話ししてるのがチラリと聞こえたので、自分の金額なんで屁でもないんだと思います。

最後は支店長ぽい人が来て‥‥

「最近は海外送金は本当に厳しくなっていて、いろいろと失礼な事を聞いて、大変申し訳ありませんでした(そんなに失礼な事きかれてないのに)」

と深々と謝罪まで頂きました。

なんか国の動向に従わないといけない新生銀行に同情までしてしまいました。以上で新生銀行での送金手続きは終わり。

手続きが終わったあと手数料4000円が口座から落とされて、次の日には希望した数字が新生銀行→DBS銀行に。その数日後に1000円未満の金額が手数料としてDBSから取られてました。約5000円弱が今回の送金で掛かった手数料となります。

日本非居住者は口座を強制閉鎖?

マイナンバー云々よりも最も気まずかったのが居住者か非居住者の確認。

新生銀行では表向きは海外転出だと、口座を閉鎖しないといけないので「海外転出してますか?」の質問だけははぐらかす必要がありました。というか日本のほとんどの銀行では日本非居住者だと申告した時点で口座閉鎖を案内されます。

しかし実はマイナンバーとは異なり、このルールは金融庁指示ではなく、単純に銀行側が「海外在住者は面倒だから」という事で口座閉鎖させているそうです。

過去に大手M銀行では合併前、A支店では海外転出を伝えた直後に目の前でキャッシュカードにハサミを入れられたのにB支店では海外転出を伝えても全然問題なかった、という事があったそう。なんか合併前にどこの銀行だったかで対応が違う事態が起きてたそうです。

なので海外転出してる人が一時帰国して海外送金しようとする際に、銀行員に海外転出してるかどうか聞かれる事があるかもしれませんが、絶対に「海外転出してる」と言わないようにしましょう。

銀行側が顧客の住民票の状態について調べる事はないですし、仮に海外転出してても法的に何の問題もないので。

まとめ

めっちゃ長くなってしまいましたが、以上で海外送金に際し‥‥

  1. マイナンバーを作りたくない理由
  2. シンガポール側での準備
  3. DBS銀行の日本円出金@日本
  4. 海外送金の基本知識
  5. 新生銀行での海外送金手順
  6. 海外転出者の日本の銀行口座

を説明しました。また今回あらためて新生銀行を訪問して、その対応に惚れてしまったのですが泣いても笑っても、新生銀行の海外キャッシングは2018年末まで。

さすがに2019年からマイナンバーと口座が紐付けになるから「海外転出してる非国民が便利に使える日本の銀行口座なんてないやろ」と思ってたんですが、なんと存在感の薄い一時は破産しかけたあの銀行が生まれ変わり、海外在住者にとって便利かもしれんサービスを提供してました。

次回はその銀行のサービスについて海外在住者の視点から紹介しようと思います。