どうも、シンガポール在住、底辺現地採用のXin(しん)です。
自分はアジアのハブ在住とあって、コロナ前世界ではベトナム・インドネシアの国々へ旅行する事が多かったです。
なので両通貨の相場は、例えばベトナムドンなら「ゼロ2個とって2で割る=日本円」等と、ザックリ覚えてました。
しかし、なんと近ごろ日本で両通貨を買い漁っている集団がいるとか。
日系銀行で働く友人から入った情報なのですが、近ごろ以下の2通貨が、日本で買い漁られてるらしい。
・ベトナムドン
・インドネシアルピアしかし、給付金10万のタイミングで「上記2通貨が上がりますよ」と情弱に売りつけて、高値で売ろうという詐欺の可能性もあるのだとか。
— Xin(しん)🇸🇬シンガポール (@xinzaixinjiapo) April 30, 2020
そこで今回は、このドン・ルピア騒動について、調べてみようと思います。
ドン・ルピアのイメージ
自分がドン・ルピア問題を知った切っ掛けは、日系銀行で働く友人が「日本の支店でドン・ルピアが買い漁られてる」と教えてくれたから。
当初は「ふ~ん、物好きな人もいるもんだね」という印象でした。
ベトナムドンとインドネシアルピアは、自分にとってのイメージは以下だから。
- シンガポールでも両替はできるが価値は低い
- 両国とも現地通貨の価値が低すぎてUSDも流通してる
- ベトナム・インドネシアの外国人在住者の給与は基本USD支払い
- ベトナム在住の富豪の友人がいるがVNDでは他国へ送金が難しいと悩んでた
そして極めつけは「日本みたいなドメスティック国で、こんなマイナー通貨を両替できる金融機関なんてあんの?」というのが率直な感想。
ベトナムとインドネシア在住は現地でUSDも使えるし、旅行前でさえも両替するような通貨ではない。つまり一言でいえば、ドン・ルピアはショボいのだ。
※海外出張ばかりの友人曰く「現在はベトナムもインドネシアルピアもUSD含む外貨の取引は不可」「ベトナムドンでは一部USD受け取ってくれる店」とのこと。
ドン・ルピアで騙せる可能性
くどいがドン・ルピアはショボい。だけどメリットもある。それは現地での金利だ。
ドン・ルピアは、貨幣価値が不安定だから、現地の銀行で預金すれば年利4~6%ぐらいの金利が付く。
インドネシアは、貧困だけど人口第4位を誇る大国で、中間所得層が増えてきている。高度経済成長期前の日本のような雰囲気と言われている。
ベトナムも、昨今は海外駐在員満足度で多くの先進国を抜き、10位圏内まで上昇。
例のHSBC調べ勤務国人気ランキング10位。こう見ると急に伸びてきたベトナムの存在感が凄いと感じる。
1位:スイス
2位:シンガポール
3位:カナダ
4位:スペイン
5位:ニュージーランド
6位:オーストラリア
7位:トルコ
8位:ドイツ
9位:アラブ首長国連邦
10位:ベトナムhttps://t.co/qExci8XvWo— Xin(しん)🇸🇬シンガポール (@xinzaixinjiapo) September 28, 2019
新コロ対策では、人口1億弱もいながら、他の先進国をゴボウ抜きしてるイメージ。
ベトナムの人口て一億人弱なのに、感染者が少ない。しかも死者がゼロ! https://t.co/o3191SYuve
— Xin(しん)🇸🇬シンガポール (@xinzaixinjiapo) April 7, 2020
ちなみにベトナムは5月中旬の現在も、総感染者は300人以内、死者は0人をキープしている(ベトナム政府の発表が本当なら)
つまり両国とも今は途上国だけど、とんでもねーポテンシャルを秘めた国なんですよ。だからドン・ルピア上がります、絶対!
なーんていう風に、ネット検索もできないような老人や情弱を騙して、日本で両通貨を高値で売りさばくことは不可能じゃないだろう。
日本では、明らかに不利な長期住宅ローンや生命保険商品を買う人も沢山いるからね。流行りの新しい投資であると騙されドン・ルピアを買う人がいても不思議じゃない。
ドン・ルピアは実際に売れてる
買い手は詐欺集団かもだけど、実際に金券ショップでドン・ルピアが連日完売しているツイートを発見。
💱外貨両替 在庫情報
近日問い合わせの多い、
・インドネシアルピア(IDR)
・ベトナムドン(VND)
はトーカイ全店において、品薄または完売しております。
次回入荷は、臨時休業を挟みますので、未定となります。#トーカイ #トーカイ四条河原町 #外貨両替— トーカイ🤗四条河原町 (@tokai_shijo) May 1, 2020
最近続いていた「外貨両替 ベトナムドン&インドネシアルピアの円→外貨両替殺到」の原因がなんとなく掴めました。嘘か真かまでは分かりませんが、「IDRの価値が近々爆上がりするので購入すべし。100倍くらいになる。VNDでも可。」といった内容が一部界隈で出回ったようです。#トーカイ四条河原町 https://t.co/izjlVUDv10
— トーカイ🤗四条河原町 (@tokai_shijo) May 1, 2020
💱外貨両替 入荷情報
🇻🇳ベトナムドン(VND)紙幣各種
今朝入荷いたしました✨
ご必要な方はどうぞご利用ください。また、当日限りでお取り置きもいたします。#トーカイ四条河原町 #外貨両替 pic.twitter.com/jnrkuC0K8l— トーカイ🤗四条河原町 (@tokai_shijo) May 7, 2020
💱外貨両替 完売情報
ご好評につき、ベトナムドン(VND)は一時全金種「完売」いたしました。
本部にはまだ在庫がありそうなので、おそらく明日の昼頃再入荷できるかと思います。#トーカイ四条河原町 https://t.co/vP24Cpz6Sz— トーカイ🤗四条河原町 (@tokai_shijo) May 8, 2020
💱外貨両替 完売情報
・ベトナムドン(VND)
・インドネシアルピア(IDR)全紙幣完売いたしました。
次回入荷は未定です。店舗により在庫状況は異なります。
当店から他店舗状況は把握できかねますので、お手数ですが直接お電話等でお問合せください。#トーカイ #トーカイ四条河原町— トーカイ🤗四条河原町 (@tokai_shijo) May 9, 2020
5月1日のツイートに「トーカイ全店において、品薄または完売しております」とあります。
京都チケットショップトーカイは、京都に15店舗を構える金券ショップ。ドン・ルピアを買い漁ってる集団は拠点が関西なのかな?
ドン・ルピアのヤフオク出品&タレコミ
そして実際にドン・ルピアはヤフオクで数倍の価格で取引されてました。
ここ最近で一番おどろいた。
「こんな金額で買う阿呆いるの?」
と思ったけど入札がけっこう入ってるんだよね。
ググれば適正価格なんて出てくるやろうに。
日本には、常人では考えられない程の阿呆が沢山いるらしい。
あるいは入札はサクラか? https://t.co/apALHHaT2B pic.twitter.com/2BYcOo8DAj
— Xin(しん)🇸🇬シンガポール (@xinzaixinjiapo) May 2, 2020
「ヤフオク使える=ネット使える=レート調べられる」ということ。なのに何故に相場の数倍で入札が入るのか。特定集団の自作自演なのか?
ヤフオクでベトナムドンを出品している人をサーチしてみても、出品履歴が100くらいある人ばかりで、怪しげなアカウントは見つからないんですよね。
例えばこの人、出品しまくってて相場の2~3倍で入札が入ってるけど、自作自演の入札数とは思えない。
きっと何処からか「ベトナムドン高騰する」の情報を入手し、金券ショップで購入。ヤフオクで出品してるだけだろう。
そして、ツイッター経由でタレコミも入りました。
本件について少しだけタレコミは入ったので、許可を頂いて公開しています。
「みずほ銀行等で買って」とは、これはオンラインでの取引なのかな。
シンガポール大手銀行でも、VNDやIDRはオンライン情報だけで取引できないのに、日本の銀行では絶対にできないですよね。
たぶん自分の勘違いかも。 https://t.co/V5WtKAMBTD pic.twitter.com/eERux6dmBj
— Xin(しん)🇸🇬シンガポール (@xinzaixinjiapo) May 4, 2020
海外在住で実際に現地にも旅行したことがある人、あるいは金融関係の人なら「ドン・ルピアが高騰?アホなの?上がるわけないやろ?」という結論にすぐ至るけど、海外や為替に疎い人は騙される可能性もあるのかな。
ドン・ルピア騒動のソースは?
ドン・ルピアが高騰するなんてデマ、そもそも誰が流したのか。調べたところ1つのオンラインサロンに辿り着きました。
ff外から失礼。
私も友人からドンとルピアを手に入れるため現地の人間を紹介しろと言われました。その友人のFBにはそのグループの情報がやたらあり、しかも私も招待されています(入りませんが)
おそらくソースそこだと思ってますが、ドンは確かに両替規制あるから難しいはず。
眉唾です。
— Pravda (@jonnyandgreenw1) May 1, 2020
望月龍平という元劇団四季俳優のオンラインサロンです。「望月龍平 オンラインサロン」などで検索すれば出てきます。
フェイスブック無料版は5ヶ月前に作成されたものですが、会員はすでに7,000名前後。4ヶ月前に作成された(月額)一般2,000円/学生500円の有料版に至っては、2500人以上の会員がいます。
短期間でこれだけ会員を増やせるの、すごくね?
自分は、両方に参加していないので、具体的な内容は分からないですが、
- コロナパンデミックの裏で行われていること
- コロナとインフルエンザとPCR検査の謎
- アフターコロナに向け今すべきは「〇〇の購入」
というような事を、米国をはじめとした世界の情報を元に発信していくサロンのようです。
敢えてカタカナで書きますが「ホワイトハッツリポート・ドットコム」という米国サイトの集団の考えを主軸に情報発信しているよう。
「アフターコロナに向け今すべきなのはドン・ルピアの購入」のような書き込みが、会員向けにあったのかどうかは不明ですが、このサロンが発端でドン・ルピア購入がされ始めたのは間違いなさそう。
望月氏のフェイスブックは公開されてるので、自分も目を通したのですが、なかなか扇動的なことが盛りだくさん書かれてる印象です。
個人的主観になりますが、かなり中二病的な陰謀論が唱えられいる感じで、過激な発言も多く、外れている予言も多々あります。
ドン・ルピア騒動の黒幕は?
ドン・ルピア騒動が始まった5月当初、ネット調査していて、知恵袋の下記ページに辿り着きました。現在このページは削除されてます。
内藤晴輔氏と中野宗次郎氏についてネット検索したところ、宙舎(sorasya)という団体が出てきました。
2人の経歴については…
- 内藤氏は、13歳に渡米、元スポーツ選手で社長の顧問や大学講師を勤め現在は起業
- 中野氏は、一度は死を宣告されるがスーパーヒーラーとの出会いで一命を取り止める
等と宙舎(sorasya)ホームページに記載されてました。
仲のよい調査オタク友人に、これら情報をシェアしたところ、友人が以下の見解を示してくれました。
内藤氏の経歴は米国との繋がりが深い。ホワイトハッツリポート・ドットコムを見る限り、英語ネイティブが作ったように見えない。
内藤氏の関係者がホワイトハッツリポート・ドットコムを作ったのでは。そして、その情報を元に望月氏が情報発信してるのではないか?
内藤氏が、望月氏の元俳優という権威性を利用して金稼ぎをしているのか。真相は定かではないですが、望月氏がビジネスとしてサロンを運営してることは間違いなさそう。
望月氏のサロンの有料会員は2,500人以上。月額は一般2,000円/学生500円ですが、大半の会員が社会人だとすると、オンラインサロン収益だけで月額500万円にも上ります。
月額2,000円は、堀江基文氏の「HIU」(月額10,800円)や、落合陽一氏の「落合陽一塾」(月額11,000円)と比較すると安い。
だけど日本で一番人気の、西野亮廣氏の「西野亮廣エンタメ研究所」(月額1,000円)の倍と考えると、望月氏のサロンも高いですよね。
ドン・ルピア騒動 | 2つの疑問
ここで自分には、以下の2つの疑問が浮かんできました。
- なぜ望月氏はサロンメンバーを短期間で増やせたのか?
- なぜ金儲ネタがベトナムドン・インドネシアルピアなのか?
調査オタク友人に見解はを尋ねてみたところ、以下の回答がありました。
1.なぜサロンメンバーを急激に増やせたのか?
望月氏は新型コロナのための自粛について批判的な立場。本人はマスクもしないし除菌もしない。
コロナはインフルエンザに比べれば怖くなく、経済崩壊のカモフラージュだ。本当の情報にリーチできずコロナ自粛してる人は犠牲者である、と説いている。
望月サロンのFBページ管理者には、複数名の元劇団所属のメンバーがいる。メンバーには、コロナのせいで仕事を失った芸術系の仕事の人も多くいるのでは?
つまり、コロナ自粛で打撃を受けた人々に対し「必要のない自粛をさせられてる」と思わせ、陰謀論をふりかざし信者を集める。偶然タイミングと状況がハマって会員を増やすことができたのでは?
2.なぜベトナムドン・インドネシアルピアなのか?
望月氏の近しい人物やサロンメンバーに、両替商などのチェーン店の社長などがいて、「コロナのせいで、皆しばらく旅行にいけなくて、外貨が売れずに大変です」などと相談されて、仕組んだのでは?
後者は少し強引ですが、前者はなかなかな分析では?
元々このドン・ルピア騒動を教えてくれた日系銀行で働く友人によれば「日本支店の両替ショップの在庫を脅かすほどの影響があった」とのこと。
無料会員と有料会員を合わせても1万人に満たないメンバーなのに、意図的にこんな事が出来たのだとしたら、ものすごい影響力だと思います。
とはいえ闇が深そうなので、望月サロンについては、この辺りで調査ストップします。
ドン・ルピア価格は急騰するのか?
こういう話に「絶対」はないですが、190%ドン・ルピアが急騰する事なんて、有り得ないと思ってます。
今でも日本の金券ショップ・ヤフオク・メルカリ等で通常の2~3倍で取引されてますが、まさにババの引き合いのような状態ですよね。
たとえばベトナム・インドネシアが経済成長して、ゆっくりと貨幣価値が上がっていく可能性はあります。しかし、一気に何10倍や何100倍なんて、天地がひっくり返っても有り得ないんですよ。
とはいえ「世界的にドン・ルピアが買われてる傾向はあるのかな?」と疑問に思い、シンガポールのインターナショナルバンクで働く銀行員(シンガポール人友人)に念のため聞きました。
イエス・ノー疑問文で聞いたのに、はっきり返ってはきませんでしたが、「そんな動きないわアホ」という事だと思います。
というか、そもそも、返事の通りベトナムドンやインドネシアルピアの価格は政府にコントロールされてます。
なので、たとえ一人の大富豪が日本国内にあるドン・ルピアを全て買い漁ったとしても、ドン・ルピアが急騰するなんて有り得ないですよ。
こんなのに少しでも騙されかけた方は、まじでマネーリテラシーゼロ。お金の事について、少しは学んでください。