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為替(円高・円安)、コモディティ(金)、FRB・FF・FOMC(の利下げ・利上げ)等と株価・景気の関係。

お金
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どうも、シンガポール在住、底辺現地採用のXin(しん)です。

現在コロナウイルスの影響で、大半の株が絶賛暴落中。現地で株式投資をしてて、安全資産の保有率が少ない自分も大打撃を受けてます。

とはいえ、シンガポールで投資を始めて、かれこれ2~3年。その間に「基本的にこういう時はこうしたら良い」「こういうニュースが来たときはこうなるもの」という事が身体に染み付いてきました。

先日(3月3日)、米国の利下げの影響で、一瞬だけ米国株の株価が回復して、そのご暴落しました。

次の日、Whatsapp経由で投資初心者の友人に「米国が2回分の利下げを行いましたが、支えきれなかったようです」と送ったところ、「利下げが行われたら、株が上がるんですか?」と聞き返されました。

そういえば、自分も最初は、一般的な「利下げ」「利上げ」は何を意味するのか「FRB、FF、FOMC」は何なのか、理解してませんでした。

そこで今回は、超基本的な為替やコモディティと景気の関係や、米国の「利下げ」「利上げ」などについて可能な限り簡単に書きます。

教科書的な基本しか書かないので、投資家にとっては読んでも時間の無駄になる可能性が高いです。

為替(円高・円安)と株価の関係

ここ数年1米ドルは100円前後で取引されてます。最近まではUSD1.00=110円前後でしたが、現在はUSD1.00=105前後です。

今までは110円出さないと1米ドル購入できなかったのが、今では105円出せば1米ドル購入できる。これは米ドルに対して円の価値が上がったことを意味します。

外国為替取引(FX)では上記は以下のように表記されます。

  • 米ドル 日本円:USD/JPY 105.00
  • シンガポールドル 日本円:SGD/JPY 75.00

しかし、上記から円高が進むと、こんな感じになります。

  • 米ドル 日本円:USD/JPY 100.00
  • シンガポールドル 日本円:SGD/JPY 70.00

一般的に円(JPY)は安全資産と呼ばれていて、景気や株価が下がると、円は買われます。

なぜ借金まみれで少子高齢化の日本の貨幣が、不景気時に買われるのか。それについては…

  • 日本の対外資産が多い
  • 日本が外国に借金していない
  • 日本は他国にお金を貸している

などと様々な意見がありますが「全ての投資家が円を安全資産だと認識してるから円が安全資産である」と自分は考えています。

モテる人は、モテると認識されてるからモテる。芸能人は、人気があると認識されてるから人気がある。バブルティーは皆に人気があると認識されてるから売れる。こういった理論と同じだと思います。

株・FXは難しく考えがちですが、所詮は銘柄や貨幣の人気投票。株価暴落時や不景気には円の人気が上がる。だから、そういう時には円が買われる。それだけです。

一般的に貨幣価値は、国の国力を表します。その為いよいよ日本経済が落ち気味になって円が不人気になってきたら、円は暴落すると自分は考えています。

とはいえ円が暴落すれば、輸出企業は儲かるので、将来はUSD/JPY 150.00辺りで落ち着くのではないかな、と自分は思っています。

コモディティ(金・原油・小麦)

コモディティとは産物や商品のこと。具体的には金・原油・小麦などの事。FXで取引することもできます。

厳密には商品先物市場と呼ばれてて「将来において上記物質を一定価格で取引する約束」を取引します。

ここではメジャーなコモディティである「金」だけを取り上げます。

米ドル(USD)や日本円(JPY)などの貨幣は「この価格で取引されている」という信用で成り立ってますが、誰もその価値を認めなくなったら価値はゼロになります。

実際に2015年、ジンバブエでは、天文学的なインフレが起こったあと、法定通貨である「ジンバブエ・ドル」が廃止されました。

ジンバブエ・ドルは、かつてジンバブエが発行し存在した法定通貨。ジンバブエ準備銀行が発行していた法定通貨でもあった。通貨の補助単位はセントで、1ドル=100セントとなっている。通貨の記号は$または、他のドルと区別するためZ$が一般的に使用された。2015年には公式に通貨としての廃止が決定され、2015年6月から回収を開始し同年9月には回収を終えた。

Wikpedia – ジンバブエ・ドル

なので日本円や米ドルも、限りなく可能性は低いですが、価値がなくなる可能性はゼロではありません。

一方で金の価値は永遠です。もし地球に巨大隕石が落ちて世界の国々がつぶれても、金の価値はゼロにはなりません。なので金も、日本円と並んで不景気時に買われる安全資産です。

しかし金は持っているだけでは価値は生み出さないので、金を現物で保有したり金の上場ETF(株)を買っても、金利や配当でお金を増やすことはできません。

常識的なレベルの不景気時には価格は上がるが、景気が良い時は価格が下がるのが金の特徴です。

FRB・FOMC・FEDとは?

FRB、FF、FOMCとは何なのか。そしてニュースでよく目にする「利上げ」とは何なのか?

世界の経済の中心は米国です。いかに白人至上主義・米国を嫌う人でも、世界経済の中心が米国であることは、認めざるを得ない事実です。

現に米国の景気がよくなり米国株が上がれば、日本・中国などの経済も米国経済に牽引され上がります。自分は新嘉坡株をメインに投資してますが、新嘉坡株も米国市場に影響されている事を実感してます。

とにかく世界経済の行く末を担うのが米国経済なので、投資家はアメリカ国内の経済政策に常にモニタをはる必要があります。

そのため経済ニュースで目にするFRB、FOMC、FEBも、米国経済の政策に関わる単語です。各々の単語を説明します。

FRB:米国の連邦準備制度理事会

FRBとは、米国の連邦準備制度理事会のことで、Federal Reserve Boardの略。

7人の理事からなる理事会。うち1人の議長が統括。FRBを統括する議長は米国大統領が決めます。この理事会はアメリカ中にある12の連邦準備銀行と一緒に、金融政策を決定します。

具体的には「市中銀行⇔中央銀行への預金の利子(FF:Federal Funds Rate/フェデラル・ファンド金利)」の変更をいます。

つまりFRBは、アメリカの中央銀行が民間銀行に貸し出す利子を調整して景気対策する主体のこと。

FOMC :連邦公開市場委員会

FOMCとは連邦公開市場委員会のことで、Federal Open Market Committeeの略。

FRBが6週間に1回の割合で年8回行う会合のこと。FF金利が決められる金融政策の最高意思決定機関。FRBの7人の理事と連邦準備銀行(中央銀行)の総裁5人で行われます。

つまりFOMCとは、FRBが民間銀行に貸し出す利子を調整するために開かれる年8回の会合のこと。その目的はもちろん、景気対策です。

FED:連邦準備制度

FRB+FOMCをひっくるめた言い方。連邦準備制度(Federal Reserve System)のこと。Federal Reserve Systemの頭文字をとって「FRS」と言われることもある。

簡単に言うとFED(FRS)とは、アメリカ中央銀行の金利を調整する奴ら(FRB)が、アメリカ中央銀行金利を調整するミーティング(FOMC)で、金利を調整する制度のこと。

FF金利:利下げ・利上げ

さてFRB、FOMC、FF金利などの単語に慣れてきましたか。景気対策のためにFRBはFOMCでFF金利を上げ下げします。

通常FRBは、株価が下落していて景気の悪い時には「利下げ」をします。利下げをすれば、お金が消費・投資に回り、景気が刺激されるからです。

一方FRBは、株価が上昇していて景気の良い時には「利上げ」をします。利上げをすれば、お金が消費・投資に回らなくなり、インフレ抑制できるからです。

前者は「金融緩和」後者は「金融引締め」と言われます。

なぜ上記のことが可能になるのか?

アメリカの民間銀行は、資産の一部をフェデラル・ファンドに預けないといけないルールがあります。フェデラル・ファンドとか分かりにくい横文字ですが、つまり民間銀行が中央銀行に預けている預金のことです。

そして金のある銀行は預金を預けますが、金のない銀行はフェデラル・ファンドからお金を借ります。民間銀行もフェデラル・ファンドからお金を借りたら、返すときに利息を付けて返す必要がりますよね。その金利がFF金利(フェデラル・ファンド・レート)です。

FRB:利下げの影響

それでは先日のようにFRBがFF金利を「利下げ」した場合何が起こるのか?

民間銀行のビジネスは、お金が必要な個人・企業にお金を貸して、利息をつけて返してもらうこと、金貸しです。

そのため、資金に余裕のない銀行からすると…

  1. フェデラル・ファンドから金を借りて
  2. 個人・企業にお金を貸し出して
  3. 個人・企業から貸した利息を付けて返してもらい
  4. フェデラル・ファンドに、FF金利のせて返す

という流れになります。

そのためFF金利は個人・企業に貸し出す金利より低くないと銀行は儲かりません。

そして「利下げ」が行われFF金利が下がると、民間銀行が中央銀行に返す負担が軽くなるので、民間銀行も個人・企業に低金利でお金が課せます。

その結果、安い金利で金が借りられるのなら、と沢山の人が民間銀行からお金を借り市場にお金が流れます。

逆に「利上げ」が行われFF金利が下がると、民間銀行が中央銀行に返す負担が重くなり、それに伴い民間銀行は高い金利でしか個人・企業にお金が貸せなくなります。

その結果、お金を借りられる人が少なくなり、市場にお金が回らなくなるわけです。

上記がよく理解できなくても下記のイメージを持っておけばOKです。

  • 「利下げ」されたら、市場にお金が出回る
  • 「利上げ」されたら、市場からお金が中央に吸収される

つまり先日はFRBが緊急利下げで、市場にお金を出す宣言したけど、コロナ不安が勝って株価が暴落してしまったということです。

残りの利下げ回数が足りない

3月2日迄のFF金利は1.50~1.75%。通常1回の利下げ幅は0.25%なので、FRBは次回のFOMCで1.25~1.50%にする予定でした。

ところが3月3日、新型コロナの影響で株価が暴落しつつあったので、FRBは、緊急会議を開いて一気に2回分に相当する0.50%の利下げを実施しました。

その結果、FF金利は1.00~1.25%になってしまった上に、利下げ効果はイマイチで、暴落は止められなかった。残された利下げ回数も4回になってしまったよね、というのが現在。

アメリカに続いてコロナの感染が広がっている欧米でも、次々と利下げの動きが始まってるみたいです。

そしてアメリカでは利下げ余地がなくなった後は、日銀が実施してるような中央銀行による株の買い付けも検討してるんだとか。

とにかく、ここ数日(2020年3月上旬)のような怖い相場の時もあるけど、株価や景気は必死に国・政府が必死に支えようとしてくれるので、安いうちに購入しといた方がお得ですよ、という話でした。