どうも相変わらず長いタイトルで失礼します。旅行内容、グルメ情報、株式(REIT)情報などなど、ブログネタは尋常じゃない勢いで溜まるけど、面倒くさくてブログ更新できてないXin(しん)です。
怠惰な性格は簡単には矯正できそうにありません。
それでも自分は3年以上シンガポールに特化したブログを書いてます。ブログはゆるい感じで気の向いた時に書く。それが長続きの秘訣かなと思っています。
JETプログラムで日本在住中ののシンガポール人が・・
数ヶ月前シンガポールからJETプログラムで日本に飛んだシンガポール人の友人がいます。彼女が先日、アニメ「進撃の巨人」の名場面のシングリッシュ吹き替えをクリエイト。Youtubeでアップロードしてました。
※JETプログラム:JET プログラムとは、語学指導等を行う外国青年招致事業(The Japan Exchange and Teaching Programme)の略で、外国青年を招致して地方自治体等で任用し、外国語教育の充実と地域の国際交流の推進を図る事業。
JETプログラムJET プログラムとは、語学指導等を行う外国青年招致事業(The Japan Exchange and Teaching Programme)の略で、外国青年を招致して地方自治体等で任用し、外国語教育の充実と地域の国際交流の推進を図る事業です。
吹き替えのクオリティが想像以上。進撃の巨人で学ぶシングリッシュやんけこれ。これは多くのシンガポールに興味がある日本人が参考にすべきだ。
そう思ったので重い腰上げてその動画をシェアすべくブログ書いてます。
という事で今回は、旅行でも、グルメでも、株式でもない、シンガポール英語(=シングリッシュ)ネタ。当ブログの文章に興味のない人もスクロールダウンして動画くらいは見て欲しいです。
シングリッシュとは?
その前に知らない方のために、シングリッシュとは何かということについて。シングリッシュとは、言わずと知れたシンガポールで話されている独特の訛りの英語のこと。
少し旅行のためにシンガポール情報をかじった事がある人なら、「語尾にLah(ラー)をつけるアレやろ?」という認識をお持ちだと思いますが、そんな単純なものじゃないです。
効率を重視したズボラのための言語とも言えるのですが、7割理解するのは簡単でも、9割理解するのは至難の技です。大まかな特徴は以下のようなものです。
1.語尾にlah、leh、lor、leyなどをつける
特に意味はなく関西弁の「やで」「~なん?」のようなニュアンス。最も代表的なもので「Never mind lah !(気にすんなや!)」「No leh!(ちゃうわ!)」「Yeah lor!(せやで!)」「Okay ley?(わかったわい!)」など。
2.主語を省く
英語の文章としては邪道なのですが主語を省くことがあります。たとえば「can!(いいよ)」「cannot!(あかん!)」「got so many(めっちゃ沢山ある)」など。
3.語尾にアクセントが置かれる
大体どの単語も語尾、もしくは強調したい箇所にアクセントが置かれます。たとえば「Monday」 「Yesterday」「Okay already」など。関西弁の「マクド」「スタバ」のようなニュアンスに少し似ているかもしれません。
4.中国語が混ざる
特に中華系シンガポール人同士が会話しているときは中国語が混ざります。というか中国語ベースで話していて英単語が混ざっていることも多々あります。
たとえば「因为(yinwei)」「好(hao)」や数字などは、とりわけ英語で話している最中でもよく使われます。理由はシラブルが短く言い易いから。 英語と中国語を話す人はbecauseとyinwei、okayとhaoなどを比較すればイメージしやすいかも。中国語の方がシラブルが短く楽です。
5.動詞の原型のみを使い前置詞は省く場合が多い
これまた英文としては邪道ですが動詞は原型のみ。前置詞は省きます。「She don’t know」「I go school (to) yesterday」など。何故このような使い方をするのかというと、シンプルな文法の中国語を英単語に置き換えているからです。
6.シングリッシュ独特の単語が使われる
少し中国語をかじっていれば1~5の部分は全く問題ないのですが、これが最も難しいパートです。自身は当初、中国語(マンダリン=普通語)を勉強すれば、彼らの話しているシングリッシュは9割近く理解できるものと踏んでいました。
しかし、中国語、マレー語、タミル語から来ているシングリッシュの独特の単語は結構たくさんある。しかも中国語由来の単語は殆どが普通語(マンダリン)由来ではなく、中国語のマイナー方言である福建語由来のものばかりなんです。
たとえば「Ang Moh(紅毛)=欧米人」「Paiseh(歹勢)=すまない」「Lugi(吃虧)=~せんと損する」なども全て福建語由来のシングリッシュワード。福建語は台湾語に近いので、台湾人はこういう単語知ってたりします。
しかし、普通語(マンダリン)と呼ばれる中国語の読み方とは全く異なるもので、マンダリン学習者の自分にとっては混乱させられるだけ。結果、新しい単語を頭の中にインストールしないといけない訳です。
シングリッシュが大体分かってきた
そんな訳で「シングリッシュなんて語尾にLah(ラー)をつけるだけやろ」という人がいたら、頭をカチ割ってやりたいです。
とはいえ、基本的に付き合う友達が中華系シンガポール人、滞在年数がかれこれ7年近くになる自分は、自慢じゃないですが(←自慢と言えるのかも分らんけど)今ではローカルに時折「きさま現地生まれか?」と勘違いされるほどシングリッシュが身体に染み付いてきました。
シングリッシュ単語さえ使われなければシンガポール人のフリぐらいはできる。シングリッシュスピークコンテスト(シンガポール人&中華系マレーシア人参加不可)なるものが開催されれば、いいところまで残れる自信はある。
前フリが長すぎましたが、今回はそんな自分が観てみて「これは秀逸や」と思ったシンガポールの進撃の動画「星撃の巨人(せいげきのきょじん)」を紹介します。
オリジナルの動画
先ずはオリジナルから。吹き替えらたシーンはこちら。
「進撃の巨人」を見たことがある人なら知っている通り、巨人に囲まれてミカサが仲間を鼓舞し、一人で突っ走るシーンです。ミカサの演説がなかなか印象的です。
ミカサ格好いいですよね。脱線しますが自分はミカサの腹筋が好きです(←変態ww)。
吹き替えられた動画
そしてシングリッシュに吹きかえれた動画がこちら。オリジナルの動画の0:22~2:50まで。こちらの方が長いです。
「まさかシンガポール英語ってこんなの?」というタイトルが、もろにSEOを意識しておる感じですが、当ブログはこの動画を全力でサポートします。
以下がスクリプト(完全版)です。Youtubeからもシングリッシュ版のスクリプトはゲットできますが、抜けている箇所があるそうです。ちなみに「巨人(kyojin)」だけは日本語が使われています。
ミカサ:Armin. Calm down. Now, not the time to emo. Now, stand up!
ミカサ:Marco. If we can clear out all the Kyojin at HQ, we can go there pump petrol, everyone can climb the wall. Correct?
マルコ:Er, ya lah. But even you here also, got too many leh.
ミカサ:Can one.
マルコ:Simi lan
ミカサ:I am power. More power than you all. Sibei sibei power!
ミカサ:So, I can zam all the Kyojin over there! Even if I only one person!
ミカサ:You all only cannot fight, also damn chicken until cmi.
ミカサ:Damn wasted siah. You all stay here suck thumb can already. Take your time and suck.
女兵士:Oi Mikasa! Eh what talking you?!
男兵士:Got so many, you one person can meh?
男兵士:Like that confirm cannot lah.
ミカサ:If cannot, then just die only. But, if win, can survive. If don’t fight, how you know?
男兵士:Leeemak! She cabut!
ジャン:Siao zar boh.. you say until like that, you think we really don’t know what you want meh. It’s all your fault, Eren!
ジャン:Oi! All of you! Your grandmother teach you to let your friend fight one alone issit?! Are you all really so hamji or not? Ugh!
ライナー:That guy seriously arh…
マルコ:Ah doi…
サシャ:Oi! Hamji! Bohji! Boh lamp!
男兵士:Wah they all arh…Wah piang eh! Okay lah okay lah. I go I go!
全 員:CHIONG AAAAAAH!!!!
ジャン:Kin! Follow behind Mikasa! We better chop chop curry pok. Better get to HQ before the petrol boy liao!
コニー:Wa but that Mikasa damn power ah. How she go so fast arh?
アルミン:Shit! Her petrol use damn fast. Like that jin kin too bo liao.
アルミン:I know she damn power, but cannot move, means jialat liao!
アルミン:I knew it, she confirm panic one, she anyhow whack, and now kalang kaboh
アルミン:Later…Sekali…Gan!
使われているシングリッシュ独特単語(太線)を抜粋し説明を加えます。尚、Lah、Leh、Meh、などの基本語は省いてます。
- emo(英語):to be emotionalの略。たぶん。
- simi lan(福建語):ええっ?
- sibei(福建語):めっちゃ
※「sibei」は「死爸」で死ぬほどみたいなニュアンス。「sibei atas」で「めっちゃ高級」で覚えると頭に入りやすい。「atas」は上流階級という意味のマレー語。 - zam(福建語):いてこます
- cmi(英語):無能な。(cannot make it)の意。
- siah(マレー語):呆れのニュアンスの語尾
- lemak she cabot(マレー語):逃げるかよ
- zar boh(福建語):女
- hamji(不明):腰抜け
- ah doi(不明):あ~あ
- bohji、boh lamp(福建語):玉なし、睾丸なし
※福建語の「bo」は「無」こと。「無(bo)招(chio)」で「何で誘ってくれなかったの?」の意味になることはシンガポール在住には有名だと思います。つまり、「ji」や「lamp」は男性器を意味する福建語?なのかもしれません。 - piang(不明):こんちくしょう
- chiong(福建語):急げ
- kin(福建語):早く
- jin(普通語?)kin:あんなに早く
- chop chop curry pok:急げ
※「chop」はホンマに日本語「チョップする」みたいなニュアンス。カリーポックはこんなの。シンガポールでよく売ってます。 - boy(=bo) liao:なくなっちゃう
※「bo liao」は「無了」。たぶん。 - jialat(マレー語):大変だ
- whack(英語):適当な行動をする
※「whack」は強く頭を打つという英語の動詞。頭を打たれてふらふらになったかのように適当に行動するというニュアンス。たぶん。 - kalang kabut(マレー語):状況がつかめていない(の意味)
※ 「kalang kabut」は混沌という意味のマレー語。 - sekali(マレー語):一回
- gan(普通語):くそっ
見ての通り、この表現の説明は個人の記憶と感覚とネットを頼りに書いているので正しいかは分かりません。怪しい箇所が多々あると思います。あくまで参考程度に。
聞き取りしてみた感想
最初はYoutubeのスクリプトがどこにあるかわからず、そのまま聞き取りをしてみたんですが、特にサシャと最後のアルミンのパートがさっぱりでした。とにかく福建語の汚い言葉なんだろうなと想像できるぐらい。
シングリッシュで特別な用語が使われなければ簡単で使いやすく、しかも中国語も勉強していると、楽過ぎて病みつきになるんです。動画ではあたかも日本語の単語がそのまま英単語+シングリッシュ用語に置き換えられているとも感じませんか。そんなシングリッシュでもガチで理解できるようになろうとすると、なかなか骨が折れます。
しかし「Sibei」「Siah」「Chiong」ぐらいはシンガポールに住んでいて、ローカルとの関わりがあれば時折耳にするんじゃないかなと思います。「Sibei」ってシンガポール人の子供もが使ってたら、親が「そんな汚い言葉使うんじゃない」と注意する対象になるような表現なんですけどね。日本語のめっちゃの意味の「クソ」と全く同じだと思います。
何故この動画をシェアしたか
さて何でこの動画をシェアしたいと思ったのかというと、自分自身がシンガポールに長年住んでいて、来星前と今とでは英語という言語に対する認識がずいぶんと変わったから。
日本で育って生活していると、どうしても「英語=完璧な北米英語。それ以外は受け入れない」という感覚になってしまう。そして「そんなもん真似できるわけないやん!」という事で英語使用を諦める。そういう層が日本人には多い。
日本で生活していたら英語の必要性は感じないし。日本人全員に英語が必要だとも思えない。しかし英語でコミュニケーションができるようになりたい日本人は凄く多いらしい。
だから、そういう人に「世界にはこんな英語もあるんだよ」「こんな英語でもコミュニケーションを取り合うことはできるんやで」みたいな感覚を知って欲しくて本投稿を書いました。
使い分ける事ができて真の国際人
シンガポールでは子どもの方がコテコテのシングリッシュを話します。
しかし高等教育を受けた大人のシンガポール人は、日本人、アメリカ人、インド人などの外国人に対して、シングリッシュワードを使う事は先ずありません。
たぶん幼少期はコテコテのシングリッシュを話して、その訛りを学校教育で矯正。そして相手によって使いわけられるようになっていく。
日本人も、もし英語でコミュニケーションが取れるようになりたいのならば、コテコテのジャパニーズイングリッシュから勉強すればよいのではないかなと感じました。