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「ハリラヤ・ハジ」とは巡礼者?犠牲祭?由来・意味などを簡単にまとめてみる。

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シンガポール在住5年越えなのに、シンガポールの祝日「ハリラヤ・ハジ」に関する知識が皆無です。

ネットで調べても「巡礼者」だとか「犠牲祭」だとか「生贄」だとか色々書いているけど、偏差値50そこらの大学しか出とらん自分にはよう分からん。

という事で、今回はハリラヤ・ハジについて簡単に纏めていこうと思います。

ハリラヤを分解して診る

以前、イスラム歴の9月(=ラマダン)が過ぎた日を意味するハリラヤ・プアサについて纏めたことがあります。

「ラマダン」「ハリラヤ・プアサ」の由来・意味などを簡単にまとめてみる。
先日マレー系シンガポール人の友達のお宅で、ハリラヤ・プアサのご馳走を頂いてきました。自分のは中華系がメインなので、このような機会は滅多にありませんでした。 なの...

苦しい苦しい断食の月(イスラム暦の9月=ラマダン)を乗り越えた、イスラム暦の10月のはじまり。それがハリラヤ・プアサ(断食を乗り越えた偉大な日」でした。

ハリとは「日」のこと。ラヤは「偉大な」という意味の単語。ハリラヤは「偉大な日」だという意味でした。

ハリラヤ・ハジは何が偉大な日なのか。このハジの意味が今回のキーになりそうですが。とりあえずハジだけの意味は置いといて、イスラム歴のおさらい。

イスラム歴の名前と意味をおさらい

イスラム歴は、それぞれの月に特別な呼び名と、特別な意味があります。

第1月 ムッハラム/MUHARRAM(戦いを禁じる月)

第2月 サファル/SAFAR(戦いでうつろな月)
第3月 ラビ・アル・アウリル/RABI-AL-AWWAL(春の月)
第4月 ラビ・アル・サーニ/RABI-AL-THANI(春の月)
第5月 ジュマダ・アル・ウーラ/JUMADA-AL-AWWAL(寒い月)
第6月 ジュマダ・アル・サーニ/JUMADA-AL-THANI(寒い月)
第7月 ラジャブ/RAJAB(神聖な月)
第8月 シャアバーン/SHABAN(予言者の月,離散の月)
第9月 ラマダン/RAMADAN(断食の月、暑い月)
第10月 シャウワール/SHAWWAL(尾の月)
第11月 ズル・カアダ/ ZUL-QAADAH(戦いのない,安住の月)
第12月 ズルヒッジャ/ZUL-HIJJAH(巡礼の月)

※カタカナは無理やりふっています。

今日はイスラム歴の何年何日何月だろう。2016年9月12日は、西暦からヒジュラ暦変換高精度計算サイトで調べたら、1437年12月9日となりました。

本当は12月10日なんでしょうが、HP内の「宗教関係者が日没後の新月観測でヒジュラ暦を決定している場合もあり、本計算と日付がずれることがあります」から1日ずれていると思われます。

イスラム歴の12月は、上の表を確認してみると「ズルヒッジャ」と呼ばれ「巡礼の月」という意味になります。あ、なんか本題とリンクしてきたような気がします。

メッカに行ったイスラム教男性=ハジ

イスラム教の人たちは、一生のうち一度は、サウジアラビアのイスラムの聖地「メッカ」に行くことを義務付けられています。巡礼というやつです。

しかし、永遠にメッカを目指すわけではなくて、巡礼の終わりの日があります。それがイスラム歴の12月10日なのだそうです。12月自体が「ズルヒッジャ=巡礼の月」で1カ月は30日までなので、何か釈然としないけど・・・。

そして、メッカでの巡礼を終えた男性は「ハジ」、女性は「ハジャ」と呼ばれます。そう、「ハリラヤ・ハジ」とは、そのまま意味を並べると「メッカ巡礼を終えた男性を祝う偉大な日」となりそうです。

うわ、巡礼は女性も行うのに「ハリラヤ・ハジ(メッカ巡礼後男性)」という呼び名だけがメジャーで「ハリラヤ・ハジャ(メッカ巡礼後女性)」なんて耳にしない。女性差別じゃないのか?

と思うかもしれませんせんが、イスラム教自体が、めちゃくちゃ女性差別な集団なので仕方ないです。どれぐらい女性差別な集団なのかというと、一部のイスラム教徒は、女性はモノ扱いするくらい。

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もちろん、シンガポールの殆どのイスラム教徒はもっとマイルドです。

少し脱線してしまいましたが、メッカに到着した巡礼者(ハジ&ハジャ)たちは何をするのか。家畜を殺して分け合って食べるようです。

ハリラヤ・ハジ=別名ハリラヤ・コルバン

ハリラヤ・ハジは、別名ハリラヤ・コルバンとも呼ばれています。コルバンとはアラビア語で「犠牲、献身」とか言う意味。「犠牲祭」というやつですね。

かつて、アッラー神が、預言者イブラヒムへ「息子イスマイルを生贄として捧げよ」と命じた。苦悩の末、イブラヒムはその言葉に従う事を決心、息子イスマイルも自身の身を神に捧げることにした(現代の常識から考えると狂気の沙汰としか思えん)。

しかし、生贄にするためイブラヒムが息子を殺そうとしたとき、アッラーがその信仰心に感銘をうけ「感動した!息子の代わりに家畜でもいいよ!」と言って、結果的に子羊が生贄とされたようです。

そして、今でもなおイスラム歴12月10日は「ハリラヤ・コルバン(犠牲祭を祝うい偉大な日?)」として、メッカや東南アジアで家畜達が生贄として殺されているようです。

殺された家畜は貧しい人に配られるそうです。もともと貧しい人々と富を分かち合うというのが、ハリラヤ・コルバンのそもそもの趣旨のようです。

ハリラヤ・ハジのまとめ

ハリラヤ・ハジとは、一生に一度はメッカに行かないといけないイスラム教の巡礼者「ハリ&ハジャ)がメッカに到着して祝われる偉大な日(ハリラヤ)であり。

どのように祝うかというと。メッカに到着した巡礼者や、東南アジアのイスラム教徒たちが、生贄である家畜(コルバン)を殺して、みんなに配って祝う。そんな偉大な日(ハリラヤ)。ということだと思います。

みんなの前で家畜を殺して食べるなんて、家畜が可愛そうだし、その他も色々色々、馴染みのなさ過ぎるイスラム教ですが、共生していこうとする姿勢は大事だと思います。

とりあえず今日はイスラム教徒にとって「メッカ巡礼が終った特別な日なんだなあ」という思いで1日を過ごそうと思います。