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「ラマダン」「ハリラヤ・プアサ」の由来・意味などを簡単にまとめてみる。

生活
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先日マレー系シンガポール人の友達のお宅で、ハリラヤ・プアサのご馳走を頂いてきました。自分のは中華系がメインなので、このような機会は滅多にありませんでした。

なので自分にとっては新鮮な経験でした。

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そういえば、ラマダン、ハリラヤ、ハリラヤ・プアサなどの単語を、シンガポールでは毎年耳にするけど、ほとんど内容を理解していませんでした。

「イスラムの断食?単なる祝日やろ?」ぐらいなイメージしか持っていませんでした。

お食事頂いたのにめっちゃ気が引ける。そこで、今回はこれらの言葉について分かり易くまとめたいと思います。

ラマダン = イスラム暦の9月の事

ラマダンとはイスラム(ヒジュラ)暦で9月を意味する言葉。

イスラム歴のそれぞれの月は、特別な呼び名と意味があって、9月は「ラマダン」と呼ばれ「断食をする月」という意味があるそうです。

イスラム教徒にとっては非常に神聖な月なんだとか。

ラマダン(9月)以外にも、それぞれの月に、以下のような呼び名と意味があります。

第1月 ムッハラム/MUHARRAM(戦いを禁じる月)

第2月 サファル/SAFAR(戦いでうつろな月)
第3月 ラビ・アル・アウリル/RABI-AL-AWWAL(春の月)
第4月 ラビ・アル・サーニ/RABI-AL-THANI(春の月)
第5月 ジュマダ・アル・ウーラ/JUMADA-AL-AWWAL(寒い月)
第6月 ジュマダ・アル・サーニ/JUMADA-AL-THANI(寒い月)
第7月 ラジャブ/RAJAB(神聖な月)
第8月 シャアバーン/SHABAN(予言者の月,離散の月)
第9月 ラマダン/RAMADAN(断食の月、暑い月)
第10月 シャウワール/SHAWWAL(尾の月)
第11月 ズル・カアダ/ ZUL-QAADAH(戦いのない,安住の月)
第12月 ズルヒッジャ/ZUL-HIJJAH(巡礼の月)

※カタカナは無理やりふっています。

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ラマダン( イスラム暦の9月)の断食の方法

イスラム暦の9月がまるまる断食の月です。

「1ヶ月間も断食?どれだけストイックやねん!」と思ってしまうかもしれませんが、完全に断食するわけではないです。

日没から日の出(夕方から翌未明)にかけて1日分の食事を摂ることができます。1日1食。軽いダイエットのような感じでしょうか。

そういえばマレー人は他の人種に比べて細い人が多い気がしますね。

今まで「細いのはマレー人の体質なのかな?うらやましい!」と思っていたのですが、ラマダンで断食に慣れているせいだったりして・・・。

とにかくラマダンの時期は、食事以外にも、タバコや性行為、ゴシップなども禁止です。ラマダン(イスラム暦の9月)は、イスラム教徒にとって、禁欲の月だと言えそうです。

ハリラヤ・プアサとは

ラマダン(イスラム歴の9月)を過ぎると、シャウワール(イスラム歴の10月)1日となりハリラヤ・プアサを迎えます。

ハリは「日」ラヤは「偉大な」プアサは「断食」を意味するマレー語。そう「ハリラヤ・プアサ」とは文字通り「断食が終わった偉大な日」という意味。

1ヶ月間の苦しい断食の月が明けた、おめでたい日のことです。禁欲が終った日を盛大に祝う祭りとも考えられるかも。シンガポールでは、この日は祝日となります。

去年は2015年7月17日、今年は2016年7月6日がハリラヤ・プアサ(イスラム暦の10月1日)でした。

毎年11日ずつ 早くなっていきます。という訳で来年のハリラヤ・プアサは2017年6月25日となります。残念ながら日曜日です。

ハリラヤ・プアサの日付は、こちらから簡単に計算できます。

西暦からヒジュラ暦変換
西暦(グレゴリオ暦とユリウス暦)からヒジュラ暦(イスラム暦)に1ヶ月から1年の期間で変換します。

イスラム教自体がストイックなイメージがありますが、ハリラヤ・プアサは快楽の期間と解釈してもいいのでは、と個人的に思います。

たとえば、禁煙して久しぶりに吸うタバコは美味しいし。久々の性行為は、めちゃくちゃ気持ちいい。断食した後の食事も、凄く美味しいですよね。

あらゆる禁止から解除され、快楽を貪る時期。それが、ハリラヤ・プアサだ!

などとまでは言えないにしても、イスラムの方々にとって、ようやく苦しみから開放された、リラックスした日と捉えることができそうです。

当日は、日本のお正月と同じようにお祝いをします。

新調した晴れ着を着て、親戚を訪問。ラマダン明けに用意したご馳走や菓子を、皆で食べて、お祝いの挨拶を交わします。子供たちにお年玉を挙げる習慣もあるのだとか。

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以上から、「ハリラヤ・プアサ」とは、イスラムの方々が禁欲月を乗り越えて、日本のお正月のようにリラックスしてお祝いをする日のこと。

イスラム歴の新年という訳ではないですが、イスラムの方々にとってはとても大切なお祭り日だと言えます。

イスラム歴で今年は何年?

ちなみに、今年のハリラヤ・ハジ(2016年7月6日)は、イスラム歴では1437年10月1日です。

イスラム歴は、西暦622年にイスラム教開祖のムハンマドが、メッカという場所の大商人に迫害を受けて、メディナという場所に都を移した時を、元年としているので、西暦とはずいぶん異なります。

1年は354日、1カ月は29若しくは30日で計算しているので、西暦とは随分違うし、毎年11日ずつズレていきます。

今月はイスラム歴の1437年の10月。我々にとっては、なかなかイメージし辛いです。

しかし、中華系が70%を占めるにも関わらず、毎年イスラム歴の10月1日(西暦では11日ずれる)を祝日としているシンガポールは、多様性抜群ですね。

来年からは、イスラムの方々にとっては大切な日なんだという意識でもって、「ハリラヤ・プアサ」を過ごしたいと思います。