シンガポールに住んでいると毎年耳にする祝日のうちの一つディパバリ。今年は10月29日がその祝日に当たります。土曜日なので次の週の月曜日が振替休日になります。
以前は、ハリラヤ・プアサとハリラヤ・ハジについて書きました。ハリラヤ・プアサは、イスラム暦の断食の月が明けた日を祝う期間。ハリラヤ・ハジはメッカに到着した巡礼者が盛大に祝われる日。ともにイスラム教徒にとっては非常に重要な意味を持う日でした。ではヒンドゥー教はいつに祝うのか。
ディパバリが予測できない
シンガポールの人口の9%を占めるインド系住人の大半はヒンドゥー教徒。ディパバリは彼らにとっての新年のようなものだそうです。なるほど。ハリラヤ・プアサとハリラヤ・ハジを調べた事がある自分は、恐らくヒンドゥー教にも特別な暦があって、その暦の新年がディパバリなんだろうと予測し、インド暦でぐぐってみました。
で・・・でてきたのがこれ。右側の日付は西暦です。
インド国定暦
第1月 カイトラ/チャイトラ*1(Chaitra)3月22日
第2月 ヴァイサカ/ヴァイシャーカ(Vaishākh) 4月21日
第3月 ジャイスタ/ジャイシュタ(Jyaishtha)5月22日
第4月 アーサダ/アーシャーダ(Āshādha) 6月22日
第5月 スラバナ/シュラーヴァナ(Shrāvana)7月23日
第6月 バードラ/バードラパダ(Bhādrapad) 8月23日
第7月 アスビナ/アーシュヴィナ(Āshwin)9月23日
第8月 カルディカ/カールッティカ (Kārtik)10月23日
第9月 アヴラハヤナ/マールガシールシャ(Agrahayana/Margashirsha)11月22日
第10月 パウサ/パウシャ(Paush)12月22日
第11月 マーガ/マーガ(Māgh)1月21日
第12月 パルグナ/パールグナ(Phālgun)2月20日
また、ディパバリとほぼ同義とされるディーワーリーの説明としてWikipediaには以下のようにありました。
ディーワーリーは、インドのヒンドゥー教の新年のお祝い。別名「光のフェスティバル」とも呼ばれ、10月末から11月初めのインド暦の第七番目の月の初めの日になる。この日は新月と重なる。
これを受けてか、ネット上ではディパバリの説明として「インド暦の第七番目の月の初めの日」と盲目的に書かれてあるサイトで溢れています。
しかし、上の暦に従うなら、第七番目の月の初めの日は第7月 アスビナ/アーシュヴィナで西暦は9月23日になって10月末から11月始めにならない。全然違う。Wikipediaはこれ、第七番目と第八番目の月と間違えてるのでは。ディパバリはヒンドゥー暦の第8月と明記しているサイトもあるし。
ディーパバリ Deepavali(ディワリ Diwali)〔インド以外の国 Countries excl. India〕
Deepavali/Diwali
※ヒンズー教の祭り(光の祭典)
※ヒンズー暦第8月/カルティカ月の新月の日
※陽暦の10月か11月にあたる。
※ヒンズー教の寺院やインド人街はイルミネーションで美しく輝く。ディーパバリを祝日に定めている国には多数のインド人がすんでいる。
※インドに於いては、Deepavali(新月の日)の翌日はヴィクラム暦新年である。
※ガイアナ、シンガポール、■スリナム <休祝日でない>、スリランカ、■フィジー、マレーシア、■モーリシャスなどインド人居住者の多い国でも祝われる。
【ディーパバリを休祝日としている国】
■ガイアナ(Guyana)、■シンガポール(Singapore)、■スリランカ(Sri Lanka)、■トリニダード・トバゴ(Trinidad and Tobago)、■マレーシア(Malaysia)http://xn--eckk2fua6dvc6h.jp/info12380.htm
さらに検索を進めてみると、ヒンドゥー暦のWikipediaでの説明に遭遇。以下のような説明がありました。
インドにはヒンドゥー教などで現在も使用される太陰太陽暦の暦が数多くあり、これらの暦のことを指してヒンドゥー暦(インド暦)と呼称する場合がある。これらの暦には地方によって呼び方や年数まで異なるものもある。ヒンドゥー暦といった場合、ここでいう国定暦のことを指しているのかそのほかの暦のことを指しているのか判断を要する。
とどのつまり、一言にヒンドゥー暦(インド歴)といっても色んな種類の暦があるから、どの類の暦なのか判断する必要があるということ。
さすがインド、面倒臭さが半端ない( TДT)。その後、グレゴリウス✕インド暦のコンバーターを見つけたのですが。
Gregorian * Indian calendar converter
シンガポールのディパバリの日付を入れても、関連のなさそうな日付がでてくるばかり。もはや何を信じれば良いのか分からない。
公式見解を待つしかない?
シンガポール政府は毎年4月に翌年の祝日を公開しますが、この厄介なディパバリのためだけに、公開された祝日が暫定とされていたそう。興味深い記事がありました。
ディパバリにまつわるシンガポール祝日途中変更問題、解決か!?
また、ディワーリーとディパバリの違いについて、主にインド国内ではディワーリー。インドの南やインド国外ではディパバリと呼ばれているようなので、厳密にはこうなるんだと思います。
- 2016のディパバリ = 10月29日(土)
- 2016のディワーリー = 10月30日(日)
結局ディパバリの算出方法は分からなかったけど、調べてみて少しだけすっきり。
去年に今年のディワーリーを名言してる人がいた
数あるディワーリーの解説の中では、この説明が信頼できそう。
さて、そんなディワリですが、一年ごとに開催日が変わります。
今年は11月11日を中日とした前後2日、合計5日ですが、2016年は10月30日と前後2日になります。
これは一体なぜかというと、インドの伝統的な暦であるヒンドゥー暦を基準にしているからです。
ヒンドゥー暦は月と太陽の運行をもとに作られた太陰太陽暦ですから、現在一般に使われているグレゴリオ暦(太陽暦)とズレが出てきてしまうんですね。
ちなみに全部で12か月あるこのヒンドゥー暦の8番目(何番目かは地域によって変わります)の月を「カルティカ」というんですが、その月の中で新月の日がディワリの中日、ラクシュミー・プジャーの日とされています。
そしてその翌日、つまり今日はパドワと呼ばれ、夫婦の日であるとともに、ラジャスターン州やグジャラート州など西インドの一部地域では元旦とされ、ここから一年が始まります。
2015年に掛かれた記事ですが、ピシャリと今年のディワーリーを名言しています。3流私大、文系出身の自分は、これを読んでもすんなりと理解できませんが、時間があるときに調べてこのエントリーは更新していこうと思います。