―2014年7月20日―
ツアーの帰りも爆走バスは期待を裏切らない。水上マーケットに加え、コブラショーという追加ツアーも体験したにも関わらず、ほぼ脳内予定時刻にバンコク中心部に到着。水上マーケットで服が汚れてしまったので、ホステルに戻り、シャワーを浴びて服を着替える。
トゥイは今日も大学でロシア語を受講後、市内を案内してくれる予定だが、それまで少し時間がある。初日に薦められたタイ首相官邸に向かうことにした。
バイタクシーやトゥクトゥクでの、ここから首相官邸までの運賃(約 THB300.00)は確認済みだ。しかしながら、ホステルの周りには、ほとんどバイタクシーもトゥクトゥクも走っていない。
3ブロック程歩いたところで、やる気のなさそうなバイタクシードライバーを見つけ交渉に入るも、地図を見せても彼らは具体的な場所もイメージできず、英語もいまいち伝わっていない様子。
そんな時に「おれは英語ができるぞ!」と我が物顔でトゥクトゥクドライバーが現れた。助かったと思いながら地図を見せ金額を尋ねる。
ドライバー「100バーツだ」
Xin「え?安くない?」
ドライバー「安いだろう!特別価格だ。その代わり、おれのスポンサーになってくれ。現地まではきちんと連れて行くし、100バーツ以上は取らない。そのかわり向かう道中に3件の服屋さんに依るから、おれのスポンサーと行って、スタンプを貰ってきてくれ。」
Xin「時間はあまりないんだけど、どうやったらスタンプがもらえるの?」
ドライバー「店に入って俺のスポンサーと言ったらスタンプは貰える。スタンプは服の上に押して貰ってくれ。」
Xin「本当に100バーツなんだよね。」
ドライバー「おう、間違いない。」
ま、スタンプも旅行の記念になるかな。ドライバーの申し出を引き受けることにしてトゥクトゥクに乗り込む。
一軒目に到着。人気のない如何にも怪しげな店に入る。店内はインド系と思われる店員が4,5人。一人が話し掛けてくる。
店員「ようこそ。どんな服がほしい?」
Xin「う~ん。えっとね、ちょっと見せてくれない?」
店員「オッケー。これなんかどうだ?こっちに来てみな。」
Xin「見てるだけで買うなんて決めてないからね。」
店員「じゃあどうしてここに来たんだ?」
一瞬言葉に詰まる自分。スタンプの為にトゥクトゥクドライバーに連れてこられたとを正直に言ってしまっても良いものか。店の外に出てトゥクトゥクドライバーに確認する。
Xin「凄い営業されてるんだけど、どうやったらスタンプはもらえるの?正直にスタンプの為にあんたに連れてこられたと言ってもいい?」
ドライバー「おう、服は買うなよ。全て言ってしまってもいい。スタンプを貰って来い。」
了解した旨を伝えて再び店内に入ると、店員は相変わらずの調子でスーツを勧めてくるので思い切って洗いざらい全てを伝える。
Xin「あのさ、だから運賃を安くする代わりに3つの服屋に言って、スタンプを貰って来いと外のドライバーに伝えられてここに来たんだ。だから、スタンプをくれ。」
店員「ダメだ。スタンプはスーツを買ってからじゃないとやれない。」
Xin「あっそ。じゃあスタンプいらないわ。バイバイ。」
外に出てドライバーに伝える。
Xin「あのさ、スタンプは服を買わないとくれないと言われたんだけど、どうなってんの?」
ドライバー「問題ない。気にするな。気を撮り直して2軒目に行くぞ。」
Xin「スタンプは貰わなくてもいいんだね。」
ドライバー「おう、次の店では少なくとも5分は店内にいてくれ。スーツは買うなよ。」
Xin「了解した。」
こうして二軒目の店に向かうことになる。