人が集まるところに金は集まる。最近よくミートアップのイベントに参加している。数年前は見向きもしなかったのに、なぜ今頃になって積極的に利用するようになったのか。当初は「おれ友達いねぇな・・・」と思い始めたのが動機だけど、最近になって「ミートアップはビジネスに利用できるのでは?」と気づいたことも大きい。
フランシスのミートアップ
シンガポールで最も多いメンバー数を誇る「Expats & International Friends Club」。ミートアップのアプリを触ったことのあるシンガポール在住者なら知らない人はいないだろう。事実、他のミートアップのイベントでも「フランシス(主催者の名前)のイベントに参加したことがあるか否か」ということは良く話題になる。
活動内容は主に飲みをメインとした出会い系パーティーの主催。自身も一度だけ参加したことがある。たった一回きりの参加だったのに見事に変態顔を撮影され、アプリの写真ページに掲載された。変態顔の写真を削除依頼した時の話→「Meetup(ミートアップ)」に自分の変態顔が勝手に掲載されていた。
イベントの詳細がある程度一定で分かりやすい
そんなフランシスさんのパーティーであるが内容はさておき、日程、時間、参加費、場所の特徴などが一定で非常に分かりやすい。概ねこんな感じだ。
・日 程:(基本)毎週金曜日+クリスマス、バレンタインデーなど。
・時 間:午後7時~午後11時
・参加費:男性SGD15.00(ドリンク付)女性SGD10.00(ドリンク付)
・場 所:ホテルのラウンジや素敵なバー
やはり、こういう類のパーティーには男性が多数参加して女性が集まりにくいためだろうか。イベント案内ページでは、女性の参加費用が国内で最もリーゾナブルである旨が太字で強調されている一方、男性の案内はよく目を凝らしてみないと気付きにくい。
参加費用はリーゾナブル?
変態顔を晒された記事でも言及したが、自身が参加した時は、男性陣が女性陣に対してハイエナのように集っている光景が印象的だった。場所はホテルのラウンジを使っているだけあって雰囲気はよかった。にも関わらず男性SGD15.00、女性SGD10.00でドリンク一杯分も含まれている。
「結構安くない? 一体どうやって運営しているのか?」
滞在時間は2時間ほど。パーティーにやってくると人と喋りまくる訳で喉が乾く。入場料を支払って手にしたドリンク券では、最もグレードの低いお酒しか注文できないし当然1杯では足りない。自身が参加した時は会場内にはウォーターサーバーが設置されていたので、水を飲むこともできたが。
「やっぱ折角来たんだし飲みたいじゃん。水ばかり飲むのもみっともないし・・・」
ドリンク券で注文したドリンク以外に2杯ビールを注文した。1杯約SGD20.00(1,600円)前後。参加費用(SGD15.00)+ドリンク代(SGD20.00×2)で計SGD55.00をこのパーティーのために払ったことになる。
ここはシンガポールの一等地のホテルのラウンジ。立派なグラスに入ったドラフトビールにならSGD20.00前後も妥当だけど、出てきたのはこんなビールだった。
こんな小さい得体の知れない小瓶ビールが1600円なんて、いくらなんでも取り過ぎだと思う。同じビールが楽天では400円で販売中。

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「参加費用が安い替わりにドリンク代の価格を吊り上げて利益を出しているじゃないか?」
後日、他のミートアップの集まりで「フランシスのパーティー」の話題になったときに、自分の考えを話してみた。参加経験のある女性からこんな返事が返ってきた。
「あんたは男だから高かったのよ。男と女でドリンクの値段が違うの。女性が買ったほうが安いから私は男の子から頼まれて沢山お酒買ってた(笑)」
ドリンクの値段が男性価格、女性価格で分かれている。これは新しい。日本でも流行るかもしれないですね。
店&フランシスさんの売り上げ概算
実際にフランシスさんがどんな条件でお店とパーティービジネスをしているのかは分からないけど、売上をざっくりと計算してみよう。
参加者の人数 = 毎回約200人前後(男女比率2:1)
毎回の参加者数は概ねこんな感じだ。
300人くらい参加してるように見えるけど、主催者がアプリ内で約99人連れてくると宣言してるだけ。実際の参加者は200前後となる。
「詐欺だ!」なんて言う人もいるかもしれないけど、マーケティングの範疇だろう。
さらりとアプリで参加者を見てみた。少なく見積もっても全体の三分の二は男性で、残りは女性。ゲイやバイはいない(と思います。)。男性参加者が133人、女性参加者が67人とします。
一人頭の支払額 = 男性SGD30.00前後、女性SGD20.00前後
余程の倹約家(平たく言うとケチ?)でない限り、入場料についてくるドリンク以外に、一杯くらいは飲んでいるはず。ケチは飲んでいないにせよ、ケチの人数分くらいは、2杯のんでいる人もいるはず。参加した全員が入場料とは別にドリンクを一杯注文したとします。
ドリンクの価格。毎回の男性ドリンクがSGD20.00するのも考えにくいので、ドリンクは少し安く見積ります。男性ドリンクより女性ドリンクの割高なのも考慮して、男性ドリンクSGD15.00。女性ドリンクSGD10.00とします。
男性︰参加費SGD15.00+ドリンク代SGD15.00=SGD30.00
女性︰参加者SGD10.00+ドリンク代SGD10.00=SGS20.00
(無理やりシンプルにした金額;笑)
店&フランシスさんの売上 = SGD5,330
男性︰133人×SGD30.00=SGD3,990
女性︰67人×SGD20.00=SGD1.340
売上︰SGD3,990+SGD1,340=SGD5,330
お酒の原価、輸入費、場所代、人件費などは度外視してますが、週末の夜4時間使って売上がSGD5,330。本日のレートでざっくり日本円に換算すると43万円くらいになりました。むろん、この金額は適当な概算なので現実にはこれとはかけ離れた数字になっている可能性もあります。あくまで参考。
さて、このうち4分の1くらいは主催者が持っていけるのでしょうか?これ以上は分かりません。もっと大きな金額になると思ったのですが、それほどでもないなというのが計算してみた筆者の感想。
似たような事している日本人もいる?
詳しいグループ名やリンクは案内しないけど、参加費用SGD20.00〜SGD30.00(アルコールドリンク & 軽食)ぐらいで、たまにイベント主催をされている日本人の方もいるようだ(見つけてしまった・・・)。
こちらはビジネス的な匂いが全くしないけど、金儲けでやっている場合は、シンガポールでは、それ相応のビザが必要だし、事業登録もする必要があります。
何れにしてもフランシスパーティーは良心的?
えげつない金額設定のイベントもある。同じミートアップアプリ内のとあるイベントは、90分の中国語講座で受講料SGD70.00も払わされたなんて話も。
シンガポールで日本人による日本人のための婚活的なパーティーを頻繁に主催している、とあるグループ。彼らのパーティーなんて参加費用は、フランシスのパーティーの10倍ぐらいしたりする。フォアグラでも出てくるのだろうかと思う。
そんな中国語講座や婚活パーティーと比べると、参加費用がSGD10.00〜SGD30.00ぐらいのイベントは相当良心的だと思いますね。
「何度も行く必要ない、一回で十分だ!だけど、一回くらいは行ってみたら良いのでは?」
これがフランシスパーティーについて、ミートアップを利用しているローカルシンガポール人が口を揃えていう意見だ。無論自分も全く同意見。シンガポール在住の方は是非足を運んでみてはいかがでしょうか?