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The Sportsman – シンガポールのCPF制度についての生の声。

生活
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シンガポール選挙当日の先週金曜日。シンガポールの世間様はお休みですが、自分は仕事がありました。

代替休暇もらえるから良いんだけど、やっぱり公休日に仕事をするは、少し損をした気分になってしまう。その埋め合わせをするために「今日は行ったことのない場所に行こう」と仕事帰りに発作的に決めた。帰りとは逆のオーチャードにやってきた。

Far East Shopping Centerの#02-01

こういう類の店はたまに見かけるけど、いつもヘタレで入店できない。今回も二の足を踏んでしまうけど「いつまで怪しげな店ヴァージンでいる?世の中にあるものは全てトライせよ!」という天のお告げが聞こえてきたので思い切って中に入ってみた。

 

チャリン、チャリン・・(ドアの鈴の音)

「おぉ・・・・・(・o・) レトロ!」

パンチの効いたおっちゃん達が多い。

入るや否や、目が細くて腕に刺青をいれたフィリピン人女性スタッフ(この人も相当パンチが効いてた)に注文を聞かれ「タイガービール」と答えた。

ジョッキサイズのタイガービールはSGD14:00(流石にオーチャード)

珍しく、室内に喫煙室もある。

ここにいたおっちゃん達は、肌の色や髪の毛の色がまちまちで、どこ出身なのか判別がつかなかった。訛りはシングリッシュに違いないけど、中華系シングリッシュとは違う。でも見た目は中華系な人が多かった。

推定年齢層60代前後の箱の中で、人物観察しているとアンクルが話しかけてきた。

 

アンクル「どうも!若いね。中国人?」

Xin「違います・・・」

アンクル「韓国だ。」

Xin「違います、当ててみて下さい。」

アンクル「分からないな。どこだ?」

Xin「・・・日本です。」

アンクル「おぉ日本か( ゚∀゚ )」

 

その後は何年シンガポールいるだの、何の仕事をしているだの、他愛もない話が続く。彼らのバックグラウンドを聞いてみたら、殆どがインド系シンガポール人だった。

アンクル、アンティー達の会話はほとんどが選挙やCPFに関する事。

※CPF:強制積立型のシンガポールの年金。これを使ってHDB(公団住宅)を購入したり、医療費用を払ったりできるけど、55歳までにCPF口座に一定の金額が溜まっていないと受給できない。受給できる金額は月に5、6万円前後とか。

 

アンクル1「CPFが少ない。毎月生活できん。」

アンクル2「外国へ行けということか?」

アンティー1 「私の息子は月収SGD-000なのに、どうして他国の大学を出て、昨日来たような外国人がSGD10,000も貰えるの?」

 

悲痛な叫びが聞こえてきた。

シンガポールのHDBはフルユニットなら、毎月SGD3000(約25万)で貸し出せるので、CPFと合わせれば月30万ぐらいで(夫婦合わせて月35万くらい?)シンガポール国外でリタイアできる。

昔お世話になってた元中国人のコンドオーナーや、前回記事で登場したダグラスによれば、「シンガポール人は幸せ」らしいが、それは国外へ出る事を前提とした話。

海外志向の人は良いかもしれないけど、老後も故郷で過ごしたい人にとっては、なかなか難しいCPF制度。夫婦合わせて月10万では、シンガポールで生活できない。

彼らが若い頃、どんな仕事をしていて、どんな風に老後をプランしていようと、していたのかまでは分からないけど。シンガポールみたく外国人を誘致して、前例のない形で急成長した国にとって、全ての国民の生活を保証する制度なんて不可能に近いのではないかと思う。

「そっか、生活大変なんだね( ´Д`)」

などと共感していると、リーダー核と思しきアンクルがビールを奢ってくれた。

一杯SGD14.00もするから、何度も断ったのに・・・

「有り難いけど、アンクル・・・お金はもう少し大切にしようよ!」

つくづく思った先週の金曜日でした。