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香港旅行(2)- 観光がてらに香港人の国民性をいろいろ聞いてみた。

旅行
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香港旅行2日目は、旅行前より連絡をくれていた香港人に観光案内をしてもらった日。観光案内とは言うものの、それほど香港の観光地に興味があるわけではない。興味があるのは、香港人の国民性、気質についてだ。仕事中では常に切れまくっているきゃつら。オフの日はどんな風に過ごしているのだろうか。興味深い。

平均寿命は世界一

仕事で香港人にむかついた時にネットで「香港人の平均寿命」について調べたことがある。ストレスは健康に悪い。先進国(自分にとっては香港も台湾も国)ではあれストレスを抱えまくってそうな香港人は寿命が短いに違いない。そんな先入観のもと調べてみたところ、何と「香港人の平均寿命は世界一」という情報があがってきた。

平均寿命が長い主な理由は、食生活が良いこと、喫煙率が低いこと、健康食品が気軽に手に入ること、などだそうだ。ストレスと寿命はそれほど関係ない。そんな事を駅前のこの店を見て思い出した。

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ここで購入した漢方ドリンクが濃厚で格別だった。はっきり覚えていないけど日本円で約300円。値段は少し張るけど、この店がシンガポールにあったら絶対ヒットすると思うし、自分は毎日買うと思う。

列にはきちんと並ぶ

待ち合わせは10時頃、適当な場所でということだったので、一足先にホテルを出て中環(セントラル)駅に出てきた。きちんと並んでいるローカル香港人たちが印象的だった。これでは日本人と同じじゃないか。突っ込んでしまいたくなる。

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きっとこういった場面で「如何に列にきちんと並ぶか」と「仕事上でのストレス」は比例しているに違いない。

時間には程よくルーズ

今回案内してくたのはヘイという香港人男性。結局、尖東駅(せんとうえき)で待ち合わせをすることに。時刻になるとSMSで進捗状況が送られてきた。

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ほどなくして合流。ヘイはオフらしいけど、今日は金曜日。

彼のバックグランドについて聞いてみた。ずっとヨーロッパをバッパーしていたけど、3週間程前に香港に戻ってきて今は就職活動中とのこと。ヨーロッパ中をヒッチハイクで周っていたのだとか。カウチサーフィンをヨーロッパで使い倒して、色んな人にお世話になったから、今は香港で恩返しをしたいらしい。

なぜ今回の旅行を香港にしたのか聞かれ、「ローカル香港人の事が知りたくて香港に旅行に来た」との問いに対し、「おれはちょっと普通の香港人とは違うけどね(笑)」と苦笑いで回答。しかし、ヘイは街を散策する最中に香港人について沢山のことを教えてくれた。

周った場所

星光大道(アベニュー・オブ・スターズ)

ジャッキーチェーンがいると思ってやってきた。星光大道(アベニュー・オブ・スターズ)付近? 2018年末まで閉鎖のようです。無念。ここからフェリーにも乗りました。プリペイド式の運賃カード「オクトパスカード」使用可能。

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重慶大厦(チョンキンマンション)

ここにさえ来れればよいと思っていてやってきた念願の重慶大厦(チョンキンマンション)。中身はインドやバングラディシュの小店が立ち並ぶ混沌とした雰囲気に満ち溢れている。ここだけまるでシンガポールのリトルインディアのよう。 

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ヘイ「何世代にも渡ってここに住んでいるインド人やバングラデシュ人たちもいる。凄く変なことなんだけど、彼らは見た目は茶褐色の肌なのに、広東語を話すし国籍は香港人なんだ。」

しん「それってシンガポールそのものやん。」

ポムポムプリンカフェ

シンガポール人のミーハーな友達に「香港にはぐでたまカフェがあるから行ってこい」と言われた。カフェの住所をヘイに伝えて案内してもらったものの、結局「ぐでたまカフェ(期間限定だったよう)」なるものは見つからず「同類だしここでいいやん」と行き着いたのがここ。他の店に比べて思いのほかバカ高くて、就活中のヘイに申し訳なかったので全て自己負担。とは言っても総額3500円くらいだけど。

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家族連れやカップルばかりの客層の中、ここで香港の英語教育と普通語(マンダリン)教育についてを熱く語り会う自分とヘイ。傍から見たらさぞかし気持ち悪い光景だっただろう。

しん「実は香港にきてから英語の通じなさにショックを受けた。普通語は基本的に使っちゃダメらしいけど、普通語の方が通じる。香港人は英語と普通語はいつから勉強するの?」

ヘイ「最近はみんな英語教育には力を入れていて、幼稚園児から英会話教室に通わせる親が多いけど、オフィシャルには小学校から。普通語は中学生から。」

しん「ちょっと待って、何で小学校から勉強している英語の方が弱くて、中学校から勉強している普通語の方がみんな得意なの?」

ヘイ「うん、たぶん広東語と普通語は、読み書きは殆ど同じだからじゃないかな。一方英語は、広東語と言語の性質が離れていて一から学ぶ必要があるから、時間がかかるんだよ。」

しん「あ、そっか!香港人が普通語の勉強ですることは発音&会話練習だけ。本当はみんな普通語は実はできるんじゃないの?でも普通語を使ったらみんなキレるんだよね?」

ヘイ「うん。普通語は話せるけど使いたくない。普通語を話す奴=大陸からの中国人、という認識があるから。でも、話す言葉が普通語だったとしても、相手が台湾人だと分かった瞬間、香港人は急に笑顔になるんだ。」

とにかくデモが好き

デパートデモ

むかし、ある香港人が高級ブランドを扱うデパートで写真を撮ろうとしたところ、撮影を控えるように言われたが、後ほど同じデパートの同じ場所で中国人が撮影していても何のお咎めがなかった、ということがあったらしい。

この件に関して単なる店員の基準の違いのように思えるが「なんで中国人は撮影OKで香港人はあかんのや?」と香港人が激怒。結局デパート前に香港人が大挙するとんでもない大きな暴動に発展したらしい。

トラムデモ

まさに香港の雰囲気を彩っていると言ってもいいトラム。むかし、お偉いさんがトラムを全面廃止しようと取り決めたことがあったらしい。すると「香港名物のトラムを廃止してなるものか?」と、この取り決めに香港人たちが激怒してデモに発展。結局トラムの廃止は見送られた。

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香港人によれば「トラムは香港の伝統だし、ほら生活にも便利でしょ?」とのことらしい。

などなど、いちいち香港人のデモの例を挙げていけくと枚挙に暇がない。

香港人本人曰く

ヘイ「僕たちは色んな事に文句を言いつつも、結局自分たちに劣等感を持っているんだ。日本、台湾、韓国のようになりたいけど、これらの国よりは劣っていると分かっている。昔はいざこざに巻き込まれてイギリスに統治されて、今は中国に牽制されている状態。自己主張しないと自分たちを守れない。僕たちの国民性はそんな地理的、歴史的な背景からできあがったものだと思う。」

この話を聞いて、仕事が原因といえど今まで「香港人むかつくわ」と思っていた自分を少し恥じたのでした。

香港名物「打小人」

しかしながら、香港人のアグレッシブな性格は変わらない。こちらは「打小人」と呼ばれる気に入らない人を呪ってくれるサービス。日本でいうところの藁(わら)人形かな。

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恨みを持っている上司や恋敵などの名刺や写真を持って行って、人形の絵を叩くの一般的なのだとか。具体的に書いてある記事があったので詳しくはこちらを参照。

とにかく恐ろしいサービス(儀式)。

しん「このサービスさ。絶対香港でしか需要がないと思う。」

ヘイ「まあ、そうだろうね。」

などと言いつつ「日本でも絶対にこのサービスが流行るに違いない」と思ったのは、ここだけの秘密。こういうストレス解消サービスを利用しつつ、香港人は心身ともに健康的な生活を送っているのだと思わされた(笑)

香港案内後半

PMQ(元創方)

PMQとは元警察宿舎で現在は館内にお洒落なカフェやレストランがある建物。ここのカフェでまったりと、ポムポムプリンカフェの話題の続き。気持ち悪い教育の話をした。

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ここに辿り着くまで、これでもかという量の階段を上ってへとへと。

ヘイ「香港の金持ちは高いところに住みたがるんだ。だから、ここら辺は金持ちが好んで住む一等地。」

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しん「香港の金持ちって単純やね。もっと庶民的なところの方が好きだな。」

ヘイ「じゃあ、次はもっと庶民的なところに行こう(笑)」

旺角(モンコック)駅付近

そして結局連れてこられたのがこちら。ここが庶民的で一番賑わう繁華街なのだとか。イメージ的にはシンガポールのブギス駅といったところだろうか。

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時間は夕方6時。ヘイは晩御飯は付き合えないとのこと。この後に訪れた、すごく長いエスカレーターがあるショッピングモール(名前は忘れた)の最上階のカフェが案内してもらった最後の場所となった。

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自分は、カウチサーフィンで毎週開催されているらしいローカルフードディナーのイベントに行く予定だったので、そちらに行くことに。イベントページをヘイに見せたところ「店のチョイスが凄くいい。これはいいよ!」とのことだった(詳しくは次回の投稿にて)。

到着したカフェ、お互いの今後の事を話し合って、ヘイにお礼を述べて、あっさりと別れた。この時点で気づいた。チャンギ空港で案内してくれた人にお礼として渡すお土産を買うのを忘れたと(毎回何かしら購入するので)。

感想

香港人は思いのほかさっぱりしている。台湾人や中国人より何となく日本人に近い雰囲気がある。彼らが日本、台湾、韓国などへの劣等感を持っているなんていう意外なこともわかったし(イギリスに統治されてたからイギリス人ばりにプライドが高いのかと勘違いしていた)。仕事では荒っぽく攻撃的かもしれないけど、プライベートではそんな風には感じなかった。

今後シンガポールに戻って仕事で香港人とコミュニケーションをとる時、間違いなく彼らに対する見方が変わるだろうと思った。