予約したホステルが3時からしか入れない(実際は電話を掛ければ入れた可能性が高い)という衝撃的事実が判明した後、キャリーケースをゴロゴロさせながら、辺りを彷徨った。
レンタルバイクの勧誘を受けた
午後1時頃だけど、思いのほか周りは閑散としている。さすがに人口ざずか11万人余りの花蓮だ。「時間どうやって潰すか(´Д`)?」などと悩みつつ、この辺りを歩いていたところで、いきなりショップの兄ちゃんが声を掛けてきた。
兄貴「その先は何もないぞ。レンタルバイクはどうだい?」
しん「まじ?(´Д`)。台湾の免許持ってないけど大丈夫なの?日本の免許ならあるけど翻訳してもらってないよ。」
兄貴「大丈夫!電動スクーターだから、免許はいらない。」
しん「まじ。そうなの?(興味津々)!」
そういえば前回旅行したミャンマーのバガンにも、電動バイクの貸出サービスがあったけど、それは法整備が殆どされてなさそうなミャンマーだったからこそ。経済的なレベルが、アジア四小龍として、シンガポール、香港、韓国と同等として扱われる台湾にて、まさか無免でバイクが借りられるなんて思わなかった。
それでも、とにかく電動バイクであれば借りられるらしいのだ。ちなみに貸してもらえるバイクはこれ。電動なので電池切れが気になるかもしれないけど、バッテリーは3つある。
しん「実は予約したホステルが3時からチェックインで、着くのが早すぎたから時間潰してるんだよね。」
兄貴「なるほど。ここで借りるなら、時間までそのキャリーケースを預かっといてあげるよ。」
しん「ほんと?バイクのレンタル料金はいくら?」
兄貴「1日TWD600.00(約2400円)」
しん「思ったより安い。ちょっと、しばらくブラブラしながら考えてもいい?」
兄貴「了解。」
この店は駅から少し離れている。
もしからしたら駅前のバイクレンタルショップも無免者にバイクを貸し出しているかもしれない。そうだとしたら、駅前で借りた方が帰りが楽チンだ。という事で駅前に戻った。
駅前のバイクショップを訪問
再び駅前に戻ってきた。花蓮に到着直後は見向きもしなかったバイクレンタルショップを探したところ、駅前にも3軒ほどあった。
それぞれきいてみることにした。
一軒目
しん「日本の免許しか持ってないんだけどバイクを貸してもらえますか?」
男性店員「無理だ。」
二軒目
しん「台湾の免許持ってないんだけど、バイク貸してもらえますか?」
男性店員「(首ふるふる)」
三軒目
しん「台湾の運転免許持ってないけど、日本の免許は持ってます。バイク貸してもらえますか?」
女性店員「う〜ん、何日借りたいの?」
しん「3日間。」
女性店員「ならTWD1800.00ね。台湾の免許を持ってるんなら、もう少し安くできるけど、免許ないならこの価格。」
しん「う〜ん、高い(立ち去るために、こう言ってみた)。少し考えて、もし借りたいなら、また来ます。」
3日でTWD1800.00なら1日TWD600.00やん。しかも何となく三軒目は無免でも普通の原付を貸してくれそうだったのだけど、とりあえず兄貴の店へ戻ることに。
兄貴の店で借りる事にした
原付貸してもらえたら便利だけど、警察に捕まった時に原付乗ってたらいい訳ができないかも。それにペーパードライバーの自分には電動バイクの方がお似合いだ。そそくさと兄貴の店に戻った。
しん「老板(ボス)!やっぱりバイク貸してくれない。」
兄貴「お、決心したか。」
しん「でも、3日間借りるから、もし可能なら少し割引してくれない?」
兄貴「OK。いつまで花蓮にいる予定だ?」
しん「明後日に帰る!」
兄貴「今は1時半だろ。今借りたら、その瞬間から24時間で1日と見なすから、明後日の2時ごろに返してくれるなら2日分で大丈夫だぞ。1日TWD600.00のところを、TWD550.00に割引してやる。2日間で1,100.00。これでどうだ。」
しん「完璧!ありがとう!」
花蓮でバイクを借りる際のルール
ちなみに、この店の兄貴も、駅前のバイクショップの店員さんも、英語ができない。なので中国語ができないとバイクレンタルの交渉が難しいかもしれない。そして、ここで初めてバイクショップの兄貴と中国語によるミスコミュニケーションもでてきた。英単語を交えて、すんごく苦労しながら確認したルールがこれ。
- バイクレンタル中は(バイク乗ったままトンズラされたら困るから)パスポート原本はバイクショップに預けること
- ホステルやホテルでも、当然パスポート掲示を求められるが、バイクショップのカードを見せればパスポートコピーで対応してもらえること(何か言われたらカード裏の電話番号に掛けるように宿泊先スタッフに伝える必要がある)
- バイクをレンタルするには、保険に入る必要がある。これが契約書。バイクの保険代金は1日TWD50.00。毎日バッテリーを取り替えるとか。怪我をしたらいくらまで保障とか。怪我をさせたらいくらまで保障とか。死んだらいくら保険金が下りるだとか。つまり、思いの外ちゃんとした保険。
ちなみに、ファックスを送ってデータが転送されてから保険が有効になるので、申請した1時間後から保険が適用されるらしい。
当初は、電動とはいえ免許持ってなくてもバイク貸せるなんて、花蓮市はけっこう混沌としてるな、なんて思っていたけど、やはり台湾。きちんとしている感じだ。
最後は3つのバッテリーの変え方、バイクの基本的な使い方、などを教えてもらって、料金TWD1200.00を支払って契約完了。
かくして無免許でも、台湾の花蓮でバイクを借りることができた。料金は2日間、保険代もコミコミでTWD1200.00(4800円)。結局バイクを運転する頃には午後2時くらいになっていたけど、インフラが整っていない花蓮市での足はうれしい。